シップ・オブ・ザ・イヤー2017 小型客船部門賞 長崎汽船「鷹巣」 揺れ抑え、低燃費実現

 日本船舶海洋工学会(東京)が国内で建造された船舶を対象に選ぶ「シップ・オブ・ザ・イヤー2017」の小型客船部門賞に、長崎汽船(長崎市)の高速船「鷹巣)(たかす)」が選ばれた。同社は初の受賞。
 「シップ・オブ・ザ・イヤー」は国内で1年間に建造された船舶を対象に、技術力や芸術性、社会的な貢献の度合いなどを審査する。28回目となった今回は全国から計10隻の応募があり、最高賞の「シップ・オブ・ザ・イヤー」と六つの部門賞に各1隻ずつを選んだ。
 鷹巣は長崎-伊王島-高島間を運航している。全長30・1メートル、幅7メートルで、総トン数124トン、乗客・乗員153人。建造会社は瀬戸内クラフト(広島県)。鉄道建設・運輸施設整備支援機構の技術支援も受け、1年2カ月をかけて完成させた。水中翼の自動制御で荒天でも揺れを抑え、低燃費を実現。船型の最適化で引き波を低減し、港内の周辺施設への影響も防ぐことができるという。既存の技術を集結し、能力の向上を図った点が評価された。
 長崎汽船は「国や県、市の支援のおかげで、素晴らしい船を造ることができた」としている。授賞式は7月に東京で開かれる。

高速船「鷹巣」(長崎汽船提供)

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