ジェイテクト、国内の軸受能力増強 自動車構造変化にも対応

 トヨタグループのステアリング、ベアリング大手、ジェイテクト(社長・安形哲夫氏)は今期、軸受事業で国内における生産数量増を図るとともに、製造現場の高度化を推進する。電気自動車をはじめとする車体構造変化や自動運転など、市場環境の変化に対応した製品開発も並行。ニーズに即した製品供給を通じて拡販を目指す。

 同社は29日夕、名古屋市内で記者説明会を開催。安形社長が登壇し、販売量の増加などで増収増益だった前年度業績や今期見通しなどを説き、事業別の中期経営計画の進展状況を解説した。

 軸受事業では低トルク化によるニードルベアリング需要増加を受けて、完全子会社の新工場建設を通じて能力増強を図ったと発表した。

 生産力を一段と強化するため、検査工程などへ無人化ラインを試験導入したことも紹介。足元の人材不足に触れた上で「省力化で生じた時間で教育を進め、社員の付加価値向上に注力したい」とコメントした。

 自動車の電動化、自動運転の実用化を見据えた戦略として軽量軸受ハブユニット、高速回転化に対応可能なシングルボールベアリングの開発を加速する方針も示したほか、産機用製品では使用環境の多様化に合わせた商品投入を行った実績などを説明した。

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