復興願いお守りに 福島・川内村のヒノキ製 手作りミニ采 椛島町へ寄贈 太皷山応援団の井村さん 1000本、くんちを前に

 東日本大震災による東京電力福島第1原発事故で被災した福島県川内村のヒノキや稲穂でできた「ミニ采」約千本が30日、今年の長崎くんちの踊町、椛島町(樺島町)自治会に贈られた。奉納する「太皷山(コッコデショ)」が同村産ヒノキを使っている縁。復興の願いを込めた「お守り」として出演者や観衆に届ける。
 贈ったのは、市民有志でつくる「太皷山応援団」代表の井村啓造さん(71)と妻佳代子さん(66)。「被災地を元気にしたい」一心で材料を取り寄せた。ヒノキは、太皷山のやぐらや担ぎ棒にも使われた川内村産。和紙の飾りが付いた采の先に、村で採れた稲穂を添えた。椛島町の采をモデルに、約3~10センチの3種類を2年かけて手作りした。
 啓造さんが30日に樺島町の公民館を訪れ、自治会長の浦晧さん(78)に手渡した。出演者のほか、10月7~10日の長崎くんち本番で観衆にも配られる。浦さんは「ミニ采が私たちを後押ししてくれる。長崎と福島の新しい絆や交流が生まれれば」と語った。
 啓造さんは「小さな采にも大きな力が秘められている。太皷山で被災地を元気づけてもらいたい」とエールを送った。ミニ采は、諏訪神社(上西山町)内のさじき運営委員会事務所や長崎歴史文化博物館(立山1丁目)で販売中。500円。

寄贈されたミニ采
復興の願いを込めてミニ采を寄贈した井村さん(右)=長崎市、樺島町公民館

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