日本舞踊で功績表現 8月、川崎能楽堂

 川崎能楽堂や川崎大師薪能の創設に尽力した元川崎文化協会会長の故・米山市郎さんと、かわさきの民話を掘り起こして本にまとめた故・萩坂昇さんの功績を日本舞踊で伝える公演が8月5日、同能楽堂(川崎市川崎区日進町)で開かれる。元中原区文化協会会長の藤嶋とみ子(芸名・花柳錦右)さん(74)が主宰する日舞扇乃会の主催。藤嶋さんは、「市民文化を育てようと努力した故人の思いを知っていただき、地域を見直し、愛するきっかけになれば」と話している。

 米山さんは1954年、市能楽連会長に就任し、「公害都市」や、文化に縁遠いイメージの強かった川崎で74年、川崎大師薪能を始めた。川崎の風物詩になり、86年の同能楽堂開設にも尽力した。

 萩坂さんは、カニがあぶくを吹いて、寺の鐘突き堂を火事から守ったという川崎ゆかりの民話「せなかの赤いかに」などを掘り起こし、「かわさきのむかし話」(北野書店復刻)としてまとめた。

 公演では、米山さんの思い出を藤嶋さんや市観光協会の斎藤文夫会長が語り、子ども6人を含めた計15人が萩坂さんの民話「たぬきの火の用心」などを日本舞踊で表現する。文化勲章を受章した前東京理科大学長の藤嶋昭さんの講演も行われる。

 午後2時から。入場無料で定員140人(先着順)。申し込みは7月31日(必着)までに、はがきに郵便番号、住所、氏名、人数を記入して〒211-0012、中原区中丸子710の5、日舞扇乃会。

萩坂さんの「かわさきのむかし話」を手に公演への思いを語る藤嶋とみ子さん

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