大漁願い 黙々と

 「昔に比べたら、魚の取れる種類も量も減ったですよ」。新上五島町有福郷の港で、下窄久幸さん(60)は網の上にペタンと座り、黙々と定置網漁の網の手入れに精を出す。 漁師歴45年のベテランはこの日、早朝から漁に出て、午前11時前には帰ってきた。今はイサキやアジ、サバ、イシガキダイなどが旬。「魚のたくさん取れれば、うれしかですけどね」。日焼けした顔から白い歯がこぼれた。
 漁船が港に戻ってくる。魚のおこぼれにあずかろうと、空からトンビが様子をうかがっていた。

「魚のたくさん取れれば、うれしかですけどね」。次の漁に備えて黙々と網の修復作業に精を出す下窄さん=新上五島町有福郷

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