2018年5月の外国為替市況は、月初に1ドル=109円台でスタートした円相場が、月半ばまでは狭いレンジ内で推移した。しかし、21日の東京外国為替市場では、主に米中貿易摩擦の悪化懸念が後退したことで、安全資産とされる円を売り、ドルを買う動きが活発化し、円相場は1ドル=111円台前半を付け、約4カ月ぶりのドル高・円安水準になった。
その後は、米朝首脳会談の中止発表など北朝鮮情勢の緊迫化を背景に、再びリスク回避姿勢が強まりをみせ、月末は1ドル=108円台で推移した。
こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、5月の「円安」関連倒産は速報値ながら1件(前年同月3件)だけで、「円高」関連倒産は4カ月連続の発生なし(前年同月2件)だった。
ただし、流動的な北朝鮮情勢やEU内でのイタリア、スペインなど南欧の政治的不透明感の高まりなど変動要因も多いことから、引き続き今後の為替相場の動きには注意を怠れない。
「為替」関連倒産(5月度速報値)
- Published
- 2018/06/01 16:00 (JST)
- Updated
- 2018/12/10 15:24 (JST)
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