記録的な暖かい春 東日本は統計開始以降、最も高温に

上から順に3月~5月の平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比

 気象庁は1日、この春(3月から5月までの3か月間)の天候のまとめを発表した。この期間は日本付近への寒気の南下が弱く、暖かい空気に覆われやすかったため、全国的に平均気温はかなり高くなった。
 特に、今春の東日本は統計開始(1946年)以来、1位の高温であった。

3月は東日本は記録的高温と大雨

 日本の東で高気圧の勢力が強く、南から湿った空気が流れ込みやすかった。このため、北日本と東日本太平洋側ではかなり多かった。また、東日本太平洋側の月降水量は平年比 163%となり、1946 年の統計開始以来 3 月として 1 位の多雨となった。
 ただ、中旬以降は晴れた日が多く、月間日照時間は全国的に多く、東・西日本と沖縄・奄美でかなり多かった。特に、東日本の日本海側では月間日照時間の平年比が 141%、西日本日本海側では平年比 138%、沖縄・奄美では平年比 171%となり、いずれも 1946年の統計開始以来 3 月として 1 位の多照となった。
 月平均気温は、全国的に高く、特に東日本では平年差+2.5℃となり、1946 年の統計開始以来 3 月として 1 位の高温となった。

4月は日最高気温を更新

 日本付近は寒気が南下しにくく、南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、北日本から西日本にかけては気温が高く、東・西日本はかなり高くなった。
 飯塚(福岡県)は最高気温30.3℃を観測するなど 46 地点で 4 月の日最高気温の記録を更新した。また、日照時間が多く、特に西日本太平洋側と沖縄・奄美ではかなり多くなった。
 一方、東日本の日本海側では、低気圧や前線の通過時に湿った空気が流れ込みやすく、月降水量はかなり多かった。

5月も高温が続いた

上から順に5月の平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比

 北日本から西日本を中心に暖かい空気に覆われ、沖縄・奄美でも晴れた日が多かったため、全国的に気温が高く、東日本と沖縄・奄美ではかなり高かった。 また、南から湿った空気が流れ込んで雨となり、全国的に雨の日が多く、北日本日本海側ではかなり多かった。
 沖縄・奄美では高気圧に覆われて晴れた日が多く、前線や湿った空気の影響を受けにくかったため、降水量はかなり少なく、日照時間はかなり多かった。

撮影場所:神奈川県川崎市(2018年3月29日)

 この春は季節の進みが早い分、桜の開花も早まった。四国から北海道にかけて開花や満開が平年より10日程、早い地域が多くなった。中でも、大阪は観測史上もっとも早い開花となり、開花から6日で満開を迎えた。

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