悲しい出来事 忘れない 島原市内 小中学校で集会 あす「いのりの日」

 43人が犠牲となった雲仙・普賢岳大火砕流から3日で27年となるのを前に、長崎県島原市内の各小中学校では1日、集会があった。当時を知る人の講話や、両親らの体験を聞いて感じたことの発表を通じ、古里で起きた痛ましい出来事を胸に刻んだ。
 当時、土石流の危険性から別の小学校の仮設校舎での授業を余儀なくされた宇土町の市立第四小(原洋校長、202人)では「いのりの日」集会があり、各学年の代表8人が発表した。
 ヘルメットやマスクを付けて中学校に通っていたという両親の話を紹介した5年生の吉田直仁さん(10)は「家や田んぼ、畑が燃えたり埋まったり、43人が犠牲になった。この悲しい出来事を忘れないようにしたい」。
 インターネットでこの頃の記事を読んだという6年生の杉永愛莉さん(12)は「災害が起きたとき、まず安全な場所に避難することが大事。このような災害が発生しても、犠牲者が出ないようにしてほしい」と語った。
 上折橋町に住み被災した同校出身の松本八郎さん(73)=同市六ツ木町=の講話もあった。児童らに火砕流や土石流の恐ろしさを語り、「大きくなったら皆さんが(災害から多くの人を)守ってください」と呼び掛けた。

6月3日の「いのりの日」を前に、自分の思いを語る児童=島原市立第四小体育館

© 株式会社長崎新聞社