市場経済や独禁法学ぶ 純心中、公取委が出前授業

 公正取引委員会(公取委)事務総局九州事務所(福岡市)は5月31日、長崎県長崎市文教町の純心中で出前授業を開いた。3年生約70人が講話やゲームを通じて市場経済の仕組みや独占禁止法の役割などを考えた。
 市場経済の仕組みを学ぶため、携帯電話の販売店3社と消費者に分かれたゲームを体験。店側は値引きや修理保障などのサービスを決めて他店との差別化を図り、消費者側はどんなサービスがあれば買いたくなるかを考えた。
 講師の西片一衛下請取引調査官は「店や企業の競争があるから商品の低価格化やサービス向上が生まれ、消費者の利益が出てくる」と説明。一方で企業による「独占」や「カルテル」などの違法行為があれば利益が損なわれるとして、独禁法の重要性も解説した。
 授業ではカルテルを結んだ企業への立ち入り検査を再現した寸劇もあり、生徒たちも演技に加わりながら公取委の仕事について学んだ。

販売店を体験するゲームを通じて市場経済の仕組みを考える生徒たち=長崎市、純心中

© 株式会社長崎新聞社