児童虐待、最多を更新 相談件数、初の4000件超え 県所管17年度

 県は1日、横浜、川崎、相模原の3政令市と横須賀市を除く県所管5カ所の児童相談所で2017年度に受け付けた児童虐待の相談件数が4190件だったと発表した。6年連続の増加で、児童虐待防止法の下で統計を取り始めた2000年度以降、4千件を超えたのは初めて。

 虐待の内容で最も多かったのは56・2%を占めた心理的虐待の2354件。「保護者の怠慢ないし拒否」が919件(21・9%)、身体的虐待が895件(21・4%)で続いた。性的虐待は前年度度比10件減の22件(0・5%)だった。

 年齢別では乳幼児が308件増の1846件(44・1%)。小学生が1410件(33・7%)、中学生が588件(14・0%)、中学卒業以上が346件(8・3%)。相談に至った経路は、警察が369件増の1774件と全体の42・3%に上ったのに加え、「学校等」が構成比では4番目ながら、同140件増の424件(10・1%)と伸びが顕著だった。

 県子ども家庭課は、子どもの面前で行う配偶者間暴力(DV)などが心理的虐待に当たるとして警察が児相に通告していることや学校との連携が進んでいることが件数を押し上げていると分析。「件数が増えることが悪いとは思っていない。子育て支援と表裏一体であり、早く関わりを持って対応することが大事」と話している。

神奈川県庁

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