オリ田嶋が一歩リード、野手ではロッテ藤岡? ここまのパ新人王レース

ロッテ・藤岡裕大【写真:荒川祐史】

開幕から2か月が経過、新人王有資格者の成績は…

 プロ野球開幕から2か月が経過した。現時点でのパ・リーグの新人王争いを俯瞰しよう。

 新人王有資格者は、海外のプロリーグでプレー実績がなく、支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの1軍での登板イニング数が30イニング以内、打者は前年までの1軍での打席数が60打席以内の選手だ。

 パの新人王有資格投手。投球回数順。

田嶋大樹(オ)8試5勝2敗0S0H 46.2回 防御率3.09
池田隆英(楽)11試1勝5敗0S3H 38.1回 防御率5.87
加治屋蓮(ソ)24試1勝0敗0S6H 20.2回 防御率1.74
澤田圭佑(オ)19試2勝0敗0S1H 20回 防御率1.80
菅原秀(楽)13試0勝0敗0S0H 19.2回 防御率5.95
西村天裕(日)21試1勝1敗1S7H 17.2回 防御率2.55
玉井大翔(日)17試1勝1敗0S2H 17.2回 防御率2.04
山本由伸(オ)17試2勝0敗1S9H 17回 防御率1.06
渡邉啓太(ロ)3試0勝1敗0S0H 15回 防御率4.20
岡本健(ソ)9試0勝0敗0S0H 14.1回 防御率1.88
田中正義(ソ)10試0勝1敗0S0H 13.2回 防御率8.56
伊藤翔(西)8試0勝0敗0S0H 12回 防御率3.00
土肥星也(ロ)2試0勝0敗0S0H 10.1回 防御率3.48
松本直晃(西)9試0勝0敗0S1H 10.1回 防御率5.23
高橋礼(ソ)3試0勝1敗0S0H 8回 防御率3.38
田中豊樹(日)8試0勝0敗0S0H 7.2回 防御率11.74
小野郁(楽)4試0勝0敗0S0H 6.1回 防御率4.26
椎野新(ソ)1試0勝0敗0S0H 2回 防御率9.00
中塚駿太(西)2試0勝0敗0S0H 2回 防御率18.00
K-鈴木(ソ)1試0勝0敗0S0H 1回 防御率0.00

 オリックスの田嶋はドラ1、JR東日本から即戦力左腕として入団し、開幕2戦目に先発し新人では12球団一番乗りとなる初勝利。以後もローテを維持しすでに5勝。防御率も3点台前半であり、現時点では新人王の有力候補だ。

 楽天の池田は2016年のドラ2。創価大から楽天に入団し2年目の今年、4月1日のロッテ戦で初先発。3試合目の西武戦でプロ初勝利を挙げたが、以後、負けが込み、5月25日からは中継ぎに転向。以後3ホールドを挙げている。

 ソフトバンクの加治屋は、2013年のドラ1。新人王資格ぎりぎりの5年目の今年、サファテ、岩崎翔らが故障で離脱する中、中継ぎ投手として救世主的な活躍。オリックスの澤田は大阪桐蔭から立教大と進み、2016年ドラ8で入団。今季当初は負け試合での登板が多かったが、15試合連続で自責点0、少しずつ重要な試合でも起用されている。ただ、5月19日の西武戦、31日の中日戦で2失点。ここからが勝負だ。

 オリックスでは同じ2016年ドラ4の山本由伸も中継ぎで活躍している。

 日本ハムの西村天裕はドラ2、玉井大翔は2016年のドラ3、増井浩俊、谷元圭介、マーティンら救援陣が抜ける中で、ともにセットアッパーとして重用されている。

打者は…

 打者。打席数順。

藤岡裕大(ロ)49試183打数46安3本19点5盗 打率.251
宗佑磨(オ)39試154打数33安1本8点2盗 打率.214
菅野剛士(ロ)26試69打数14安1本14点1盗 打率.203
清宮幸太郎(日)21試67打数12安1本2点0盗 打率.179
福田周平(オ)28試47打数11安0本5点2盗 打率.234
山足達也(オ)14試37打数7安0本3点2盗 打率.189
田中和基(楽)12試32打数10安4本7点5盗 打率.313
八百板卓丸(楽)15試18打数4安0本0点1盗 打率.222
金子一輝(西)6試14打数5安1本2点0盗 打率.357
岩見雅紀(楽)5試9打数0安0本0点0盗 打率.000
渡邉諒(日)3試6打数0安0本1点0盗 打率.000
川瀬晃(ソ)2試6打数1安0本0点0盗 打率.167
西村凌(オ)2試4打数1安0本1点1盗 打率.250
石川亮(日)2試2打数1安0本0点0盗 打率.500
堀内謙伍(楽)1試0打数0安0本0点0盗 打率.000
大木貴将(ロ)1試0打数0安0本0点0盗 打率.000

 井口新監督の下、ロッテはドラ2の藤岡裕大、ドラ4の菅野剛士を開幕スタメンに起用。当初は菅野の方が活躍が目立ったが、藤岡は「2番・遊撃」に定着。新人王有資格者では、オリックスの宗とともに規定打席に達し、まずまずの成績を挙げている。

 オリックスの宗は横浜隼人高から2014年ドラ4で入団。父はギニア人、母は日本人のハーフ。身体能力の高さで注目されていたが、今季は内野手から外野手に転向し、開幕から1番打者として起用された。しかし5月16日に右太ももの張りを訴え登録抹消。5月29日のファーム、ソフトバンク戦には出場。復帰が待たれる。

 注目の日ハム清宮幸太郎は、5月2日に1軍初出場。7試合連続安打を記録するもその後、成績が低迷して5月28日に2軍落ち。しかし、2軍では本塁打を連発するなど格の違いを見せつけている。早期に復活するのではないか。

 新人王レースは投手の田嶋がややリードしているが、清宮幸太郎など、今後活躍しそうな選手も多い。注目したい。

(Full-Count編集部)

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