子ども救済へ民間第三者機関 「オンブズルーム」開設 いじめ、虐待相談窓口 専門家交え解決 長崎

 長崎市の市民団体「子どもの権利条約ながさきネット」は2日、いじめや虐待などに苦しむ子どもの相談を受け、医療や法律などの専門家(オンブズパーソン)を交えて解決にあたる第三者機関「子どもの権利オンブズパーソンながさき」の相談窓口を長崎市川口町の浦上百貨センター内に開設した。

 民間団体が子どもの救済を目的にした第三者機関を設けるのは国内3例目。オンブズルームと呼ぶ相談窓口での開設式では、子どもの支援活動などに取り組む関係者ら約30人が出席。オンブズパーソンながさきの古豊慶彦代表は「ここに飛び込んでくる子どもたちは、私たちの想像をはるかに超える苦しみや悩みを抱えていると思う。子どもたちの声をしっかりと聞きたい」とあいさつした。

 北海道旭川市に2016年、民間子ども相談室「キラキラ星」を開設した村岡篤子代表が駆け付け、相談件数は増加しており内容は「いじめ、不登校、虐待が圧倒的に多い」と報告。「子どもは権利の主体者であり、一人の人間であるという視点を忘れないよう取り組んで」と激励した。

 オンブズルームは水曜(午前11時~午後7時)、木曜(午後6時~9時)、土曜(午後2時~6時)の週3回開き、相談員らが無料で応じる。専用電話(080・3187・9156)、メール(komb.nagasaki@gmail.com)でも受け付ける。

「子どもは権利の主体者」と話した村岡さん=長崎市、浦上百貨センター

© 株式会社長崎新聞社