ハーブで奈留の魅力発信 気軽に集まれる場に 東京出身、北川さん店舗オープン

 長崎県五島市奈留町に移住した北川栄惠さん(46)=東京都出身=が、ハーブを使ったクラフト作り体験などができる店舗「Herbal Forest」(ハーバル・フォレスト)をオープンした。夏にはハーブティーなどを提供するカフェも始める予定で、北川さんは「地域の人や企業とも協力しながら、ハーブを生かして奈留の魅力を発信したい」と意気込む。
 東京の製薬会社で知り合った北川さんの夫が、奈留町出身。定年退職後に夫婦でUターンする予定だったが、帰省のたびに町の衰退を感じ、「町を元気にする手伝いがしたい」との思いが芽生えたという。
 北川さんは2005年に会社を退職後、NPO法人日本ハーブ振興協会のインストラクター資格を取得。ハーブの活用方法などを伝えるセミナーの講師や、専門誌への執筆活動など続けてきた。昨年2月に奈留島へ単身移住し、空き家をリノベーションした店舗を今年5月末に完成させた。改修には県の地方創生事業「小さな楽園プロジェクト」の補助金を活用した。
 店は「ハーブで五感を癒やす」をコンセプトに、海外から取り寄せた有機・無農薬栽培のハーブ30種類以上を販売。ガラス瓶の中にドライハーブや生花を特殊加工したプリザーブドフラワーを入れてオイルで浸すことで長期保存できる「ハーバリウム」やキャンドル作りなども体験できる。地元菓子店と協力し、奈留島で育てたハーブを練り込んだかんころ餅も開発中という。
 店舗の一部はレンタルスペースとしても貸し出していて、北川さんは「観光客だけでなく島内の人がハーブに触れ、気軽に集まれる場所にしたい」と話している。

「ハーブを生かして奈留の魅力を発信したい」と話す北川さん=五島市奈留町

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