WEC:スパで“離陸”したBRエンジニアリング、ル・マンに向け改良。「離陸の可能性をゼロに」

 2018/19年のWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”のLMP1クラスへシャシーを供給しているBRエンジニアリングは、第1戦スパ・フランコルシャンで起きたマシンの“離陸”事故を受けて、マシンにアップデートを施した。

 ロシアに本拠地を構えるBRエンジニアリングは、イタリアの名門、ダラーラが協力してLMP1用シャシー『BR1』を開発。同クラスを戦うドラゴンスピード、SMPレーシングに計3台を供給している。

 このうちドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・AERは、5月4~5日に行われた第1戦スパ・フランコルシャンの予選アタック中に高速コーナーであるオー・ルージュの進入でコントロールを失うと、ハイスピードでタイヤバリアに激突。搭乗していたピエトロ・フィッティパルディが両足を骨折する重傷を負った。

 また決勝レースではSPMレーシングの17号車BR1・AERがオー・ルージュの立ち上がりで空を舞い、高速でタイヤバリアに激突するアクシデントを起こしている。

 幸い、ドライブしていたマテボス・イサーキャンは大きな怪我を負わなかったものの、ふたつのアクシデントを受けて、より高速なル・マンのサルト・サーキットでさらなるアクシデントが起きないか、懸念の声が上がっていた。

ル・マンテストデーに登場したSMPレーシングのマシン。タイヤハウス上部に新規のパーツが装着されている
この第2戦からSMPレーシングに加わるジェンソン・バトン

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