名画になった英雄豪傑70点 17日まで横須賀美術館

 ヤマトタケルノミコトや源義経ら、神話や歴史上の英雄に焦点を当てた展覧会「集え!英雄豪傑たち」が、横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開かれている。江戸の浮世絵「武者絵」から近代日本画の名作まで約70点が並び、同美術館の担当者は「歴史好きには、必見の企画。時を超えて表現された英雄や豪傑たちに会いに来てほしい」と来館を呼び掛けている。17日まで。

 英雄や豪傑は古くから多くの芸術家が題材にしてきたテーマで、江戸後期には武者の姿や合戦のありさまを描いた「武者絵」が爆発的な人気を呼び、多くの作品が生まれた。

 「江戸のヒーローたち」のコーナーでは、江戸末期の人気浮世絵師・歌川国芳らの作品を展示。「武田上杉川中嶋大合戦図」(1857年)は、千曲川の中で一騎打ちをする武田信玄と上杉謙信の迫力ある様子が想像力豊かに描かれている。

 横須賀ゆかりの神話や歴史上の人物も紹介。美人画で知られる伊東深水(1898~1972年)は、「弟橘媛」(1942年)で、横須賀の走水で海神の怒りを鎮めるために海に身を投じる「オトタチバナヒメ」を描いた。静かな表情で夫・ヤマトタケルノミコトの無事を祈る姿を、清く澄んだ色彩で表現している。

 源平合戦のうち、横須賀の衣笠城で繰り広げられた合戦の一場面を描いた「衣笠合戦金子兄弟奮戦之図」も展示。同美術館の栗林陵学芸員は「力強さや格好良さだけでなく、芸術家独自の解釈によって描かれた作品を見てほしい」と話している。

 午前10時~午後6時。4日は休館。観覧料は一般900円、高大生と65歳以上700円、中学生以下は無料。問い合わせは、同美術館電話046(845)1211。

神話や歴史上の英雄に焦点を当てた展覧会「集え!英雄豪傑たち」 =横須賀美術館

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