ママが楽しめる街に 川崎市のNPO法人、魅力発信

 ママが楽しく暮らせる地域づくりをしたい、と川崎市幸区の子育て中の母親らがNPO法人「幸区盛り上げ隊」を設立し、デコ巻きすし教室や消しゴムはんこ作りなどのイベントを次々と開いている。区内外に幸区の魅力も発信して地域を盛り上げたいと広報紙も発行。メンバーらは、ベビーカーを押しながら奮闘している。

 幸区内の集会室に21日、生後2カ月から1歳半の子どもをベビーカーや抱っこひもで連れた若い母親4人が集まった。同隊の「アルバム作りワンデー・ワークショップ」に参加するママたちだ。富士フイルムから「アルバム大使」に認定されている小湊麻衣子さん(35)の指導で、子どもらの写真をマスキングテープや色紙などで装飾して、かわいい壁掛け用の飾りに仕上げた。生後2カ月の次女を連れて参加した女性(33)は「楽しかった。家にいるとどうしても家事に追われる。いいリフレッシュになったし、ママ友も増えそう。また参加したい」と笑顔を見せた。

 同隊の活動は、(1)ママたちが楽しく過ごせるイベントの開催(2)年4回、2万部発行の広報紙「幸区にゃんだふる通信」の発行(3)ママ作家の手作り製品を販売するマルシェ(偶数月の最終火曜、幸区内の美容室エンデで開催)-が3本柱だ。広報紙では、幸区の地形を猫のキャラクターにした「さいわいにゃん」もデザインしてアピール。区内の桜の見どころや夢見ケ崎の歴史紹介なども掲載し、魅力をPRしている。

 イベント会社に勤務経験を持つ隊長(理事長)の倉林智美さん(38)が、「子連れでママが参加でき、リフレッシュできる場をつくりたい」と、横浜市内のイベントで知り合った同区内に住むイラストレーター・ナギノモモコさんと昨春、任意団体として同隊を設立。仲間を増やして昨年11月にNPO法人の認証を取得した。現在、会員はママ、パパら13人。

 昨年末には、ママゴスペルをJR南武線鹿島田駅前で披露。乳児を抱いたママたちが「大きな声を出すのは、子どもを怒るときくらい。大声で歌うのはストレス発散につながる」と倉林さん。生後5カ月の次男を連れてイベントやPRに飛び回っている。「ママとママに対して優しい活動をしている人をつなげ、『ウィンウィンの関係』で続けていきたい」と話す。

「幸区盛り上げ隊」が開いたアルバム作りワンデー・ワークショップ。左奥が倉林さん

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