平塚市龍城ケ丘の旧龍城ケ丘プール一帯の公園整備を巡り、落合克宏市長は5月30日の定例会見で、施設の整備・維持管理について、限度額12億円の債務負担行為の補正を設定したと明らかにした。期間は2018年から39年までの22年間で、整備・管理運営事業として計上した補正予算案を6月5日開会の市議会定例会に提出する。一方、5月29日夜に開かれた住民説明会では「説明が不十分」などと批判が相次いだ。
市によると、同事業は、土地の造成と、駐車場やトイレなど一般公園部分の整備費10億円と維持管理2億円。整備費のうち市の負担は約5億円で、残りは国の交付金を充てる。
昨年6月の改正都市公園法の施行を受け、民間事業者による幅広い運営が可能となる「パークPFI」制度を導入。今夏に事業者を公募し、弁護士や市民らで構成された選定委員会による事業者の決定を経て、本年度末に住民説明会を開催する。
29日夜には花水公民館で、5回目となる地域住民への説明会を開催。平日夜にもかかわらず約130人が参加した。
市は地域の環境保全対策や津波避難機能を整備した上で「市民が日常的に楽しむ場」「地域や海にまつわる文化などの情報発信機能を設け、観光客の取り込みやにぎわい創出」などとする方向性を説明。公募条件などを定めた指針に、住民が要望する景観保全や回遊性を持たせる内容を盛り込んだとし、今後のスケジュールなども説明した。
参加者からは「『植林をできる限り残す』では曖昧すぎる。『ここは切らない』など住民と基準を決めるため、擦り合わせをしてほしい」「月次ベースでの報告会や住民アンケートを実施し、市民の思いが詰まった素晴らしい公園にしてほしい」「公園整備で大きな金額が動くのなら、中学校給食など市民のためになる使い道を」などと終了予定時間を大幅に超えて声が上がった。
説明会を受け、落合市長は定例会見で「まだまだ地域の方々の不安は払拭(ふっしょく)されていないと感じた」とした上で、「今回の手法による公園整備は民間のノウハウを使った魅力化。単なる収益施設ではないという説明を丁寧にしていきたい」と強調。7月にも今回の住民意見を反映した指針について説明会を開く意向を示した。