「諫早のえべっさん事典」刊行 市民有志 210体が現存 位置情報を掲載

 「えべっさん」の愛称で親しまれている長崎県諫早市内のえびす像の場所や大きさなどを一覧できる報告書「諫早のえべっさん事典 えべっさん、て なんじゃ!?」が刊行された。市民有志でつくる「諫早えびす研究会」(栄田元信会長)が昨年春から調査し、市中心部や有喜地区、飯盛、高来両町などに210体が現存することを明らかにした。
 調査は昨年度、市民発案の地域活性化事業「市ビタミンプロジェクト」に採択。同会メンバー約30人が、市内各地に点在する像の大きさや方角、場所や目印、ゆかりの行事などを調べ、今年2月のフォーラムで成果を発表した。
 事典はえびす像の由来に始まり、地域別の数や衛星利用測位システム(GPS)による像の位置情報などの基礎データを写真付きで掲載した。江戸時代、商家が並んでいた市中心部や長崎街道沿いの高来町では商売繁盛や家内安全、海に近い有喜地区や飯盛町では航海安全や大漁祈願の意味があったことも紹介している。
 長崎ウエスレヤン大の学生が位置情報を表示する地図を作製、像の密集度を明らかにした。栄田会長は「事典を活用して町を元気にする取り組みを続けたい」と話す。市中央公民館は今月から来月にかけて3回、えびす像に関する講座を開く。
 事典はA4判、68ページ。非売品。

「諫早のえべっさん事典」を刊行した「諫早えびす研究会」の栄田会長=諫早市内

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