2度目の「くるみん」認定 子育て支援さらに充実 北松中央病院 有給取得率向上

 慢性的な人手不足といわれる医療業界で、長崎県佐世保市江迎町の北松中央病院(東山康仁理事長、247人)は子どもを育てながら安心して働けると評判だ。「子育てサポート企業」として厚生労働省が“お墨付き”を与える「くるみん」の2度目の認定を受けた。2度の認定は県内で2社目、県北では初めて。職員は充実した表情を見せている。
 病院は2016年4月から2年間の行動計画を策定し、働きやすい職場づくりに取り組んできた。計画では▽年次有給休暇の取得促進▽敷地内の保育所による子育て支援▽地域の中高生を対象にした病院見学とインターンシップの受け入れ-の三つを柱に据えた。
 1回目の認定は16年5月(13年4月から3年間の計画)に受けた。2回目の計画は、年次有給休暇の平均取得率の目標を1回目の30%以上から40%以上に向上。病院見学とインターンシップの受け入れを新たに設けた。
 有給休暇は30分単位で取得できるようにした。子どもの看護や学校行事で利用する男性職員も多い。誕生日休暇といった独自の制度もあり、積極的に休めるような雰囲気づくりに力を入れている。2回目の期間中の女性職員の育児休業取得率は、100%だった。
 病院ではこれまでも職員の子育て支援に取り組んできた。出産後の円滑な職場復帰を支援しようと「なでしこ保育所」を10年に開設。夜勤に対応した夜間保育もあり、育休中でも預けることができる。現在は7人が利用している。
 5月30日の午後4時ごろ、第2子の育児休暇取得中の看護師、大瀬裕記香さん(36)が迎えに来ると、待っていた長女杏奈ちゃん(3)がうれしそうに駆け寄った。裕記香さんは「病院との連絡体制がしっかりしている。何かあったときにすぐ駆けつけることができ、安心して働ける」と話した。
 県内の認定企業は27社。6日に長崎市で、長崎労働局から認定マーク「くるみん」が授与される。東山理事長は「今後もさらに働きやすい環境を整えていきたい」と話している。
 
 くるみん認定 次世代育成支援対策推進法に基づいて行動計画を定めた企業のうち、2~5年の計画期間中に目標を達成した上で、従業員の育休取得率など一定基準を満たした企業に与えられる。厚生労働省が計画ごとに認定。認定マーク「くるみん」は求人広告や商品に付けて、子育てに優しい企業であることをPRできる。

迎えに来た母親の裕記香さんに駆け寄る杏奈ちゃん=佐世保市、なでしこ保育所

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