チャーリー・プース『ヴォイスノーツ』 ポップスのメインストリートを極める

チャーリー・プース『ヴォイスノーツ』

 15年2月、マーヴィン・ゲイのヒット曲のタイトルを歌いこんだデビュー・シングル「マーヴィン・ゲイ」で音楽ファンの心を一気に掴んだチャーリー。さらに同年ウィズ・カリファとの「シー・ユー・アゲイン」は映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」のエンディング・シーンに使われ全米1位の大ヒットとなりました。本作は16年の『ナイン・トラック・マインド』に続くセカンド・アルバム。前作では出し切れなかった彼のソングライターとしての才能が十二分に発揮された傑作といえます。

 13年、ボストンのバークリー音楽院を卒業した彼の音楽の強みは流行のサウンドを追求するだけでなく、ティン・パン・アレー時代から築かれてきたポップスの本道を曲作りに活かしているところにあります。またソングライターとして必須なナイーブな感情は、40以上の年齢差がある、70年代を代表するシンガー・ソングライターのジェイムス・テイラーと「愛で今を変えなければならない」とデュエットする姿にうかがえます。

(ワーナーミュージック・2200

円+税)=北澤孝

© 一般社団法人共同通信社