【中野区長選】元都議 吉田康一郎氏 VS 現職 田中大輔氏 VS 元区職員 酒井直人氏 VS 元区議 市川稔氏

6月3日に告示された中野区長選は、いずれも無所属の新人で元都議の吉田康一郎氏(51)、現職で日本維新の会が推薦する田中大輔氏(66)、元区職員で立憲民主党・国民民主の2党が推薦する酒井直人氏(46)、元区議の市川稔氏(63)の4名が立候補しました。投票は10日、開票は11日に行われます。
今回は子育て支援や高齢者対策、JR中野駅北口にある中野サンプラザの解体の是非等が争点と考えられます。立候補者は以下の4名です。(届け出順に記載)

「みんなの中野を住みやすくする提案があります」新人 吉田康一郎氏

吉田氏は1967年生まれ、東京都中野区出身で現在51歳です。慶應義塾高等学校、慶応大学経済学部を卒業しました。1990年4月に経団連事務局(現日本経団連)に入局し、地球環境問題、廃棄物問題、科学技術振興策、中小企業振興策、海外との経済協力等を担当しました。

2001年に自由党公認候補として都議選に世田谷区より出馬しましたが落選。その後は民主党に入党し、2005年の都議選に中野選挙区から立候補し、初当選しました。続く2009年の都議選でも再選を果たしています。

2012年7月には民主党を離党し、同年11月に日本維新の会衆議院東京都第七支部長に就任。同年12月の衆院選に立候補しましたが落選となりました。また2013年の都議選へも立候補しましたが落選となっています。

2014年には次世代の党(2017年に「日本のこころ」に名称変更)の結党に参加し、現在は日本のこころの衆議院東京都第七支部代表を務めています。なお、今回の選挙では政党に推薦を依頼せず、無所属での立候補する意向を表明しています。

吉田氏が掲げる政策とは

吉田氏は自身のブログにて以下の政策を掲げています。

1.もっと産みやすく!育てやすく!
中野区独自の子供手当
欧州並みの育児支援の実現に向け、育児手当を子供一人につき1万円から支給し、拡充する。

2.地震・火災・水害から命を守る緑を!
中野の川沿いを全て公園に
「都立妙正寺川・神田川防災公園(仮)」の設置を進め、都の財政による用地取得、公園設置の整備を進める。

3.中野区じゅう!道と心のバリアフリー!
区内の前歩道をバリアフリーに・幼老共生の中野を創る
中野区じゅうの歩道を平らで歩きやすい歩道に変える。

「変わりつづける中野。変えてはならない原点」現職 田中大輔氏

田中氏は1951年北海道小樽市生まれで現在66歳です。中央大学文学部を卒業し、中野区役所に入庁しました。交通対策課長、健康課長、介護保険準備課長、行政改革課長を歴任しています。今回の区長選では日本維新の会、自民・公明の中野総支部が支援しています。

2001年に退職し、2002年の区長選から4期連続で当選を果たしています。なお2006年には中央大学大学院経済学研究科を修了しています。

田中氏が目指す政策とは

田中氏は2018年2月16日の第1回中野区議会定例会区長施政方針説明において、「新しい中野をつくる10か年計画」の8つの戦略に沿って区政を進めていきたい考えを示しています。

(1)まち活性化戦略
グローバルな都市活動や東京の新たな活動拠点とするための中野駅周辺の各エリアのまちづくりの検討、新たなシティマネジメントの推進事業を実施

(2)安全・居住都市戦略
空家等対策基本計画や無電柱化推進計画の策定・良好な都市景観の確保と安全で魅力的なまちの創出、また憩いの場・防災の重要な機能を持つ平和の森公園の拡張整備、災害時の被災者の生活再建の支援、防犯カメラの設置 など

(3)環境共生都市戦略
ごみの発生抑制と資源化、地球温暖化対策や緑化推進、グローバル化に対応する住宅宿泊事業の適正な実施、エコポイントメニューの充実・普及拡大、中野区みどりの基本計画の改定 など

(4)生きる力・担う力育成戦略
幼児教育や保育の量と質を確保し、子育て支援をさらに推進する。障害を持つ子供の支援体制の充実に向け保育所や幼稚園等への巡回訪問指導を拡充し、児童発達心理の専門家を配置する。産後ケア事業や子育てひろば事業、学童クラブ事業の拡充など、安心して産み育てられる環境づくりに取り組む など

(5)地域見守り・支えあい戦略
地域包括ケアシステム推進プランに基づく取組の推進、介護予防の取り組みや専門職による助言を取り入れた体制づくり、町会・自治会への助成拡充 など

(6)スポーツ・健康都市戦略
東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて障害者スポーツの理解促進、普及啓発、平和の森公園での体育館整備、障害者多機能型通所施設の運営支援、がん検診等の申し込み方法の見直し など

(7)区民サービス基盤強化戦略
次期住民情報システムや内部事務管理システムの再構築、国民健康保険など各保険の保険料収入の確保および適切な給付や必要なサービスの提供、過去の受診歴等のデータ分析による効果的な奨励・生活習慣病ハイリスク者に対する医療機関への受診勧奨、ケアプランの質の向上・介護保険給付の適正化の促進 など

(8)持続可能な行政運営戦略
町会・商店街などが実施する大会関連事業の支援、ボランティア活動の普及啓発、国内外に向けて区の魅力を発信する総合的なガイドブックの発行、ICTを活用した多言語対応の公共サイン整備、既存施設のバリアフリー化 など

「中野区を子育て先進区へ! ・生涯現役で活躍できるまち、中野へ! ・区民、企業、行政が一体となったまちづくり!」 新人 酒井直人氏

酒井氏は1971年生まれ、岐阜県出身で現在46歳です。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科修了後、中野区役所に入庁。議会事務局、財務会計システム担当、広報担当(副参事)、地域包括ケア推進担当(副参事)を歴任しました。今回の区長選では立憲民主・国民民主の両党が推薦し、共産・自由・社民3党が支援しています。

これまでの実績として、電子決裁率日本一(当時)となる区役所の電子化、中野区歌「未来カレンダー Forever Nakano」の作成、「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」の策定などをアピールしています。

酒井氏の政策理念とは

酒井氏は自身のHPにて「中野区を子育て先進区へ!」をスローガンとし、以下を主要政策として掲げています。

1.中野区を子育て先進区へ!
・子どもの権利条例制定
・待機児童対策等
・児童館、区立幼稚園など区立施設の存続
・不妊治療に対する助成 など

2.生涯現役で活躍できる街、中野!
・介護予防のムーブメントの促進
・地域包括ケア体制の構築
・介護予防を地域で展開し、健康寿命を延ばす
・認知症に優しい地域づくり
・若者の就労支援 など

3.区民とともにまちづくりを進めます!
・対話の場づくり
・公開政策提案イベントの開催

4.区民と向き合う区役所に変えます!
・IoTとAIによるスマート区役所
・評価制度改革
・オープンデータを推進
・区の政策を「見える化」
・産官学連携の推進 など

「なかのdeチャレンジ!」市川稔氏

市川氏は1955年生まれ、東京都中野区出身で現在63歳です。明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科・修士課程を修了しました。36歳で中野区議会議員に当選し、以後連続して7回の当選を果たしています。

これまで自民党区議会議員連絡協議会会長、第51代区議会議長、総務委員長、中野駅周辺整備等特別委員会委員長を歴任し、現在は中野区監査委員、東京城西地区躰道協会会長などを務めています。また、スポーツ・文化団体方面において区バレーボール協会会長、区ソフトボール連盟会会長、区テコンドー協会会長などを兼任しています。

市川氏が掲げる政策理念とは

市川氏は自身のHPにて、「なかのdeチャレンジ!市川みのるがチャレンジする区民との約束30項目」と題し、以下の政策を掲げています。

1 「サンプラザ」解体見直し!残すぞ活かすぞサンプラザ!!
サンプラザ解体の見直し、サンプラザ歴史コーナーの設置、新たなハコモノ建設ではなく区内の資源を有効活用

2 「なかの」子育て・教育大改革!みんなで子育て、受けたくなる教育なかののまち!!児童館廃止の見直しおよび子ども総合相談窓口設置、学校再編・改築計画の大幅見直し、公立小中学校への早急な人工芝導入、区立保育園の民営化案の見直し、育児相談の充実 など

3 「なかの」まちづくり新時代宣言!みんなで残す新しいなかの!!
バリアフリー化の強力推進、コミュニティバスの復活、区内の緑化推進、平和の森公園の第2期整備工事を白紙撤回、中野駅西口改札の早期整備、区道の無電柱化を推進、「中野区子ども見守り隊」を創設、防災マニュアル作成 など

4 行政改革断行!誰もが参加できる「なかの」のために副区長には女性を起用!!
女子副区長起用による女性目線を取り入れた行政運営、「区長の出前行政相談会」を区内各地域で実施 など

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