イタリアの製鉄プラント会社、ダニエリの自動測定器「ハイプロファイル」が日本で採用される動きが広がっている。東京製鉄の宇都宮工場を嚆矢(こうし)とし、トピー工業や愛知製鋼でも受注が決まった。導入をしやすく、工員の安全に寄与する装置として注目を集めている。
ハイプロファイルはレーザーとカメラを用い、圧延された鋼材の寸法や形状を非接触で自動測定できるもの。従来は人の手で測定していた工程を自動化でき、熱された鋼材に近づく必要がなくなるため事故防止にもつながる点を特長としている。
装置の設計自由度が高いため、さまざまな条件下にある圧延ラインへの導入がしやすい点も採用の一因となっている。「ハイプロファイル」の小型版である「ハイプロファイル・ライト」もラインアップにそろえ、トピーではこの小型版が採用された。
日本法人のダニエリ・エンジニアリング・ジャパン(本社・横浜市)によると、現状では電炉メーカーからの受注が多いが、棒形鋼だけでなく鋼板類も測定できるという。レーザーとカメラで測れる鋼材であれば、鋼矢板(シートパイル)のような特殊な形のものを除き幅広い用途で適用できるとされ、今後も新たな引き合いが見込めそうだ。