岡野電線と東京海洋大、水中探査機用電線を開発 南極の湖沼調査で採用

 古河電工グループの岡野電線(本社・神奈川県大和市、社長・瀬戸勝氏)は東京海洋大学とケーブルを共同開発。開発品は同大学などが南極湖沼の調査撮影に使用した新型の小型水中無人探査機に採用され、生物の分布状況などに関する調査・研究に貢献した。

 開発品は探査機に電力や信号を送るために用いるメタル導体のアンビリカル・ケーブルとなっている。設計を工夫することで細径・軽量化しており、直径は約10ミリ、空中重量は10メートル当たり1キロ以下を実現。機材搬送などの負担を軽減している。また浮き沈みが少なく水中での安定性に優れているほか、外皮にウレタン樹脂を適用することにより耐傷性や防水性を高めたことも特長となっている。

 開発では岡野電線がケーブルの材料選定や製作などを担当。東京海洋大学は使用条件に関わるデータの提供や評価試験などを担っている。岡野電線は水中ロボット用のケーブルで供給実績を有している。

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