大同特殊鋼、車載モータ用ネオジム磁石で米国に新工場 15~20億円投資

 大同特殊鋼は、新中期経営計画(2020年度が最終)の期間に、磁石事業で米国に工場進出する方針。完全子会社のダイドー電子(本社・岐阜県中津川市)がタイ、中国に続き4拠点目の磁石生産拠点として現地法人を設立し、米国オハイオ州周辺を候補地に、新工場を建設する。投資金額は15~20億円を計画している。自動車・車載モーター用のネオジム磁石を生産する。

 大同の磁石事業は、ダイドー電子が主に手掛け、タイ、中国(2カ所)にも現地法人を持つ。ネオジム鉄ボロン焼結磁石、熱間加工磁石をはじめ多様な磁石を年間2200トン程度生産する。自動車搭載用モーター向けの素材としての比率が増加しており、全体の7割程度を占める。ディスプロジウムフリーで高温でも磁力を維持する商品も開発。

 米国進出は「お客様の生産動向などによって変化する可能性もあるため、状況をよく見て判断したい」(石黒社長)としているものの、新中期経営計画に掲げる「機能性に優れた素材で、お客様の技術革新を支える」という基本方針に基づき、「海外拠点の新規立地検討」として、電動化に向けた高性能磁石を永久磁石の生産拠点がほとんどない米国内で、製造したい考え。

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