豊通リサイクル・使用済み自動車の全部再資源化、17年度表彰順位賞と優秀賞決定 今回のみ特別賞設定

 豊通リサイクル(本社・愛知県豊田市、社長・近藤秀樹氏)はこのほど、THチームが委託する使用済み自動車の全部再資源化について2017年度の再資源化実績に基づき、順位賞として上位30事業所、優秀賞として29事業所を表彰した。また、表彰制度が約10年を続いたことを記念し、今回のみとなる特別賞を設定。継続的に全部再資源化に取り組んでいる事業所などを対象に、継続優秀賞を10事業所、継続功労賞を23事業所に授与した。

 THチームによる17年度の全部再資源化台数は9万5775台と前期比5・2%(5238台)減少した。廃車の発生台数が増加する中、解体作業に従事する人手の全体的な不足が影響したほか、悪天候による作業停滞や一部製鋼メーカーの受け入れ制限などが響いた。全部利用台数が10万台を下回ったのは4年ぶり。

 17年度の全部利用比率は5・9%と前期比で0・7ポイント低下した。

 使用済み自動車の全部再資源化とは、解体業者(全部再資源化事業者)で銅を含むワイヤーハーネスやモーター類を除去するなど精緻に解体した後、プレス業者(破砕前処理業者)でプレス加工したものを、電炉や高炉メーカー(直接全部利用者)で製鋼原料として1台全部を溶解するリサイクル手法。2005年施行の自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)第31条に基づいて行われている。

 使用済み自動車の鉄は新たな鋼材として再利用され、シートや内装材の廃プラスチックは燃料代替、ガラス等はスラグとして路盤材に活用される。ASRを発生させず、廃車をほぼ100%リサイクルできるため、経済性にも優れる。

 THチーム(トヨタやホンダなど自動車8社)の全部再資源化事業所表彰は、全部利用を行う関係者(解体業、プレス業、製鋼メーカーおよび商社)で形成するコンソーシアムに登録するプレス業者の事業所単位が対象。全部再資源化の取り組みを推進するため、2007年度から毎年行われており、今回が11回目。受賞した各事業所には記念の盾が贈られた。

 2017年度(17年4月~18年3月)の実績台数に基づき、順位賞は台数の多い上位30事業所に10位以内、20位以内、30位以内の3種類で表彰を行った。優秀賞は年120台以上の安定的な出荷というTHチームが定めた基準を達成した事業所に贈られた。

 特別賞は全部再資源化の取り組みを意欲的に支え続けてくれたことに対する感謝を込めて、今回のみ特別に設けた。継続優秀賞は順位賞を表彰制度開始から連続で受賞している業者、継続功労賞は優秀賞をTHチームが定める回数以上受賞している業者に贈られた。

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