ワールドカップ開幕まであとわずか。日本代表はスイスとの強化試合に臨む。
そのスイス代表は強豪スペインと1-1で引き分けたばかりの実力国だ。ここでは注目すべき選手たちを見てみよう。
GK:ヤン・ゾマー(ボルシアMG)&ロマン・ビュルキ(ドルトムント)
ブンデスで活躍する2人の守護神を揃えており、このポジションは欧州でも屈指のレベルにある。
経験で上回る29歳のゾマーは上背こそあまりないが、安定感抜群のセービング、守備範囲の広さ、ディストリビューション能力を兼備。完成度が高く、安定感を備えた頼れる存在だ。
一方、27歳のビュルキは恵まれた体格と身体能力を活かして、ド派手なスーパーセーブを見せるタイプ。
両者とも前回大会のW杯を経験済みであり、どちらがゴールマウスを守っても日本の前に立ち塞がることになるはずだ。
DF:リカルド・ロドリゲス(ミラン)
守備陣にも、リヒトシュタイナー(ユヴェントス→アーセナル)やマヌエル・アカンジ(ドルトムント)ら実力者が揃う。
そのなかで注目は、左SBリカルド・ロドリゲス。彼はチリ人の母とスペイン人の父との間にスイスに生まれた選手だ。
決して派手さがあるわけではいが、その左足の精度はセットプレーを任されるなどピカイチを誇る。どちらかと言えば、攻撃面で持ち味を発揮するタイプだが、ブンデス時代にはセンターバックも経験しており、守備能力もそれなりにある。
直近のスペイン戦ではこぼれ球を押し込み、あのダビド・デ・ヘアからゴールを奪っている。
MF:ジェルダン・シャキリ(ストーク・シティ)
“スイスのメッシ”と呼ばれた元神童。
コソボ系の選手であり、スパイクの右足にはコソボ国旗と2人の兄弟の名前、左足にはスイス国旗と妹の名前を刻んでいたことも。
小柄ながらアジリティとフィジカルを活かしたドリブル、そして左足から繰り出す「えげつないシュート」が武器。
ちなみに、大腿周りが60cm、ふくらはぎが41.5cmもあり、これはあのロベルト・カルロスを上回るとか。上記写真からでも、身の“厚み”がヤバいことが分かるはず。
MF:デニス・ザカリア(ボルシアMG)
W杯直前に膝の負傷したアーセナルMFグラニット・ジャカの状態が懸念されるなか、今大会でブレイクするのは彼かもしれない。
南スーダン出身の両親を持ち、スイスで生まれ育った21歳のザカリアだ。
190cmを超える長身でボランチとCBをこなせる大器で、昨季にブンデスリーガに初挑戦すると、1年目で30試合2ゴール3アシストと大活躍を見せた。とりわけ、ボール奪取とダイナミズムで輝きを放ったが、本人は自らを「攻守のつなぎ役」と見ているようだ。
ボルシアのディーター・ヘッキング監督はカードの多さ(今季11枚)を指摘しつつ、「デュエルでアグレッシブなのがいい」と評価している。
FW:ブレール・エンボロ(シャルケ)
カメルーン出身の神童FW。バーゼル時代にともにプレーした柿谷曜一朗が「化物」と評したフィジカルは圧巻だ。
スピードやパワーに優れており、ポテンシャルは一級品ながら、ブンデス移籍後は怪我もありやや苦しんだ。
ただ、その間もヴラディミル・ペトコヴィッチ代表監督らコーチングスタッフたちが支えてくれたと明かしている。まだ21歳と若く、まだまだポテンシャルを秘めているはず。