JX金属、「銅ペースト」事業化に参画 ベンチャー企業に出資

 JX金属は7日、太陽電池パネルや電子機器などに使用される銅ペーストの技術を基軸とした東北大学発のベンチャー、マテリアル・コンセプト(MC社、宮城県)の株式21・2%を取得したと発表した。

 取得額は数億円規模となるもよう。銀ペーストと同等の導電性を持つ画期的な銅ペーストの本格的な量産と事業化を行う計画。

 太陽電池パネルや電子機器などの電子デバイスの配線・電極などには、銀を主原料とする銀ペーストが主に用いられているが、より安価かつ安定的に供給できる銅を主原料とする銅ペーストによる代替に向けた製品開発が行われている。

 今回MC社が銀ペーストと同等の導電性を持つ画期的な銅ペーストの技術を確立し、実用化により原料コストの大幅な低減が見込めることとなったため、JX金属が参画し、量産化・事業化を進めていくことを決めた。今後はMC社の銅ペーストの技術開発力を基軸に、JX金属グループの量産能力・品質保証体制・営業ネットワークを活用することで幅広い分野での銅ペーストの代替・普及を進める。

 MC社は、東北大学の小池淳一教授の「安価な太陽電池パネルの普及を通じて東日本大震災からの復興をサポートしたい」との理念のもとで設立され、産業革新機構などの支援を得て銅ペーストの開発に取り組んでいる。

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