WEC:トリプルクラウンを狙うモントーヤ、初走行のル・マンに「驚かされた」

 ファン・パブロ・モントーヤは、2018/19年のWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”の第2戦ル・マン24時間レースに先駆け、6月3日に行われたテストデーでサルト・サーキットを初走行。これまで多くのドラマを生んできたコースに「驚かされた」と述べている。

 モントーヤはテスト前日にアメリカ・デトロイトで行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの第5戦を終えた後、ル・マンを戦うユナイテッド・オートスポーツに合流するべく、フランス入り。

 その後、テストデーではヒューゴ・デ・サデラーとウィル・オーウェンとステアリングをシェアしながら32号車リジェJS P217・ギブソンで35周を走行。LMP2クラス14番手のタイムを刻んだ。

 共同インタビューのなかで、ル・マンは期待に応えるものだったか尋ねられたモントーヤは「実のところコースの素晴らしさとチャレンジングさに驚かされた」と応じた。

「楽しいよ。バンプは多いし特有の難しさがあるから簡単ではない。だが充分な時間をかけて、バンプの場所や走るべきラインを掴んでしまえば、多少楽になる」

 モントーヤはとりわけテルトル・ルージュやインディアナポリス、ポルシェカーブなどの高速コーナーに驚愕し、(サルトサーキットを走る上で)これらのセクションがもっとも難しい挑戦だと語った。

「デイトナでは走行中、すべての周回で予選のような走りをしていた」とモントーヤ。

「ここではそんなことはできない。限界まで攻めた走りをしたくなるが、インディアナポリスのような場所で全開アタックすることは完全な間違いだ」

「正直に言って、コースオフしなかったのは幸運だった。あの(最初の)右カーブは攻めたくなってしまうんだ」

 42歳のモントーヤは、以前ル・マンとマイアミで、シミュレーターを使ってサルト・サーキットを走行しているといい、充分にコースを知ることができたとも述べている。

 同じプロトタイプカーとはいえ、左ハンドルのアキュラARX-05 DPiから、右ハンドルのリジェへ感覚を合わせるのに苦労したというが、モントーヤはユナイテッド・オートスポーツのチームオペレーションには感心させられたという。

「とても良いね。きちんと組織されている」とモントーヤ。

「すべてのことに驚かされたよ。とても感じの良いスタッフと優秀なメカニックたちがいるんだ」

「大きく違うのは、彼らのほとんどがマシンのファクトリーから派遣されているということだ。非常に大きな違いだ。僕はチームに所属するエンジニアと働くのに慣れているからね」

「それがどんなに良いことになるか検討がつかなかったが、本当に楽しめたよ」

テストでのタイムに満足したモントーヤ

 ロレックス・デイトナ24時間で3度の優勝経験を持つモントーヤは、テストデーで記録した3分32秒363という自身のラップタイムについて、ペースの面では「とても満足」しているが、レースウイーク中に作業をして改善を図るべき点がいくつかあると語った。

 モントーヤは「最終的に、前の周回よりも1秒半から2秒速く走れたラップが3、4周あったが、トラフィックに引っかかってしまった」と言う。

「実際のところとても満足している。(フォードシケインの)2個目を過ぎてからフィニッシュラインまでで、1.2~3秒は詰められた。いい気分だよ」

「インディアナポリスでは少し時間がかかってしまったと思う。ブレーキングとターンインするタイミングを会得しようとしている」

「ブレーキングには多くの問題があり、頻繁にリヤがロックした。僕はブレーキングゾーンに向けて、ブレーキングの体勢を整えるよう、(アクセルペダルとブレーキペダルを)少しオーバーラップするようにしたが、チームメイトはそうはしていなかった。多少の違いがあった。バランスの問題だね」

「彼らは若いし、いい仕事をしているよ。結局のところ、彼らがさらに速く走れば、僕も同じように速く走れる。そうやって一緒になってパッケージ全体をまとめあげていくわけだ」

サルト・サーキットを走るユナイテッド・オートスポーツの32号車リジェJS P217・ギブソン

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