藤沢市待機児童174人 地域ニーズに偏り 前年比26人増

 藤沢、平塚、茅ケ崎3市が、認可保育所などに入れない4月1日現在の待機児童数をまとめた。3市とも育児休業中でも保護者に復職の意思が確認できる場合は待機児童に含めるとの新定義を適用。前年に県内最多となった藤沢市はさらに増え、平塚市は微増、茅ケ崎市は微減となった。同じ湘南・西湘地域の鎌倉、小田原、南足柄の各市は独自公表しておらず、県がまとめて発表する。

 藤沢市は新定義で算出した前年の148人より26人増えて174人になった。

 499人の定員拡大を図り、市内の総定員は7207人で、利用申込者は7518人(前年比335人増)。定員が利用児童の6908人を上回っているものの、新設の保育所を中心に4、5歳児クラスに空きが目立ち、地域によってニーズに偏りがあって対応しきれていないとみられる。

 待機児童の年齢別内訳は、0歳児16人、1歳児140人、2歳児15人、3歳児3人。地域別では市の東南部(藤沢、片瀬、鵠沼、村岡地区)で多い。

 一方、平塚市は前年から2人増の34人で、茅ケ崎市は4人減の14人となった。平塚市は定員3693人に対して利用児童が3997人、茅ケ崎市は定員3850人で利用児童が4026人。両市とも利用児童数が定員よりも多い状態になっている。

 低年齢児に待機児童が集中している傾向は、藤沢市と共通している。平塚市は1、2歳児が各16人、3、4歳児が各1人。茅ケ崎市は1歳児10人、2歳児4人となった。

 また、希望したものの認可保育所に入れなかった保留児童(待機児童も含む)に関しては、藤沢市が610人でほぼ横ばい。平塚市は57人増の191人、茅ケ崎市は39人増の195人。

 各市とも施設整備などに伴う保育需要が掘り起こされているとみられ、平塚市は2017年の4歳以下の子どもの転入超過者数が県内最多の241人だったことも影響しているという。

 各種対策に各市は力を入れており、藤沢市は来年4月までに定員を285人増やすほか、認定こども園への移行支援などを進めるとする。

 平塚市は既存施設の定員を65人増やすほか、0~2歳児を対象にした小規模保育事業の運営者募集を今年初めて実施、来春の開設を目指す。茅ケ崎市は18年度中に小規模保育事業なども含め、受け入れ枠を350人程度拡大する方針。

藤沢市役所

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