旧長崎県庁舎10月から解体 跡地整備方針、未定のまま

 移転新築に伴い、昨年末で64年9カ月の歴史に幕を下ろした旧長崎県庁舎について、県が10月中旬から解体作業に入る計画であることが8日、分かった。2019年度中に終了する運びだが、跡地の具体的整備方針は未定。
 旧庁舎本館は1953年建設の鉄筋コンクリート6階建て。長崎くんち後の10月中旬以降、本館の作業に入り、約9カ月かけて解体する計画。並行して順次、第1別館、立体駐車場、第2別館と続けていく。解体費は計約12億8千万円。
 跡地活用について、県はこれまでに、▽広場▽交流・おもてなし空間▽文化芸術ホール-の三つの整備の方向性を示してきた。ただ、ホールについては、長崎市がJR長崎駅西側に計画するMICE(コンベンション)機能を中核とする複合施設との重複を懸念。県は具体的な方針を示せず、新庁舎に移転後、跡地整備に切れ目なく着手するとしていたが、実現できていない。
 跡地の整備方針については、昨年の定例県議会総務委で、委員からは「跡地のにぎわいを提示できないまま解体だけ始まることに憤りを感じる」などの声が上がった。

10月中旬から解体される予定の旧庁舎=今年2月、長崎市江戸町

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