横浜前監督の渡辺元智さんにまた勲章 高野連が育成功労賞

 日本高野連は9日、野球部の指導、育成に貢献した監督、責任教師を表彰する本年度の「育成功労賞」に、横浜の監督として甲子園大会で5度の優勝を果たした渡辺元智氏ら49人を発表した。

名将に新たな勲章

 横浜前監督の渡辺元智氏に、また一つ新たな勲章が増えた。

 「私は高校野球に人生の全てを懸けてきた」という名将。血の気が多かった青年監督時代は、まさに腕にものを言わせて選手を従えた。自宅に選手を住まわせ、明日食べさせるお米にも困り、いちかばちかのパチンコでしのいだこともあった。

 1980年にはエース愛甲猛を擁して悲願の夏の甲子園初制覇。98年には春夏の甲子園連覇を成し遂げて時代の主役となった。参謀役で同級生の小倉清一郎氏が細かい野球を仕込み、渡辺氏が選手を教育する名コンビは王者に君臨し続け、そこに東海大相模の門馬敬治監督を筆頭に全国の後進が挑んだ。渡辺氏の「育成」は、全国の高校野球界に対しての功労を意味するだろう。

 神奈川高校野球の象徴でもある名将は、「これからも自分を育ててくれた神奈川と高校野球に恩返しがしたい」と話している。

渡辺 元智氏

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