【MLB】元Gマイコラスは「日本で何を学んだ?」 米メディア注目、15億超の価値とも

カージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:Getty Images】

マイコラスは“超お買得”? 米メディアは球宴選出も有力視「答えは『YES』だ」

 開幕からメジャーで圧巻の活躍を続けるマイルズ・マイコラス投手。巨人からカージナルスに移籍した右腕は、12試合登板で7勝1敗、防御率2.27という好成績をマーク。すでに初のオールスター出場も有力視されている。ここまでのパフォーマンスを受けて、米国では日本での“成長“にも注目が集まっている。米メディア「ジ・アスレチック」は、マイコラスが日本で学んだことに焦点を当てた特集を掲載した。

 マイコラスは7日(日本時間8日)の本拠地マーリンズ戦でも7回3安打1失点(自責0)と快投し、7勝目をマーク。チームは東地区最下位に沈むマーリンズ相手に連敗を喫して第3戦を迎えていたが、マイコラスが悪い流れを止めた。

 この結果を受けて、新加入の右腕が初のオールスター出場に前進したと見られている。「ジ・アスレチック」では「マイコラスはカージナルスの『ストッパー』になったのだろうか? そして彼はオールスターに出場するのだろうか」と問いかけた上で「今のところ、答えは『YES』、そして『YES』だ」と言及。さらに、セイバーメトリクスの指標「WAR」に基づいて米データサイト「ファングラフス」が価値を見積もった結果、「各シーズン1420万ドル(約15億5500万円)」と算出されたことも紹介している。

 マイコラスは2年総額1550万ドル(約17億円)という契約でカージナルスに加入しただけに、まさに“超お買得”ということになる。記事では、「恐らく、彼はオフシーズン最高の契約だ」と分析している。

 来日前にはパドレス、レンジャーズの2球団で37試合登板(10先発)、4勝6敗、防御率5.32という成績だった右腕。巨人での3年間でいったい何が変わったのか。多くの米メディアが注目し始めているが、この特集では「簡単に言ってしまえば彼は日本で大金を稼ぎ、非常に、非常に多くの試合で登板した」と指摘。そのうえで、細かい分析も行っている。

マイコラスが日本で学んだこととは…

 取材に対して「このレベルで成功するという自信があった。でも、ちょっとした良いサプライズになった」と語ったというマイコラス。さらに、日本で学んだことについては「ストライクを投げること、よりクオリティの高いストライクを投げることだ。ただ真ん中低めに投げるのではなく、内外に投げたり、自分が持っている全球種でストライクを取るんだ」と明かしている。

 カージナルスでは、積極的にストライクを取りに行くスタイルを続けている。79回1/3で四球はわずかに9。全1139球のうちストライクは794球と、ストライク率は実に69.7%を誇る。これは間違いなく大きな武器だ。

 さらに、特集では「また、彼は強く投げることを学んだ」とも指摘。今季のファストボールの平均球速は95.1マイル(約153キロ)で、渡米前の2014年の93.7マイル(約150.8キロ)から上昇しているという。また、「もっと重要なのは、より巧みにボールを回転させることを学んだ」ことだとして、スライダー、カーブが効果的であることに言及。スライダーは被打率.157、長打は2本のみ、カーブは被打率.203、長打は3本のみという驚異的なデータも出ており、「彼は自身の決め球を進化させた。彼は間違いなく日本での時を享受した」と結論づけている。

 日本での3年間でまさに進化を遂げ、年15億円を超える価値がある投手になったマイコラス。このまま好投を続ければ、その価値はさらに高まる。来シーズンが終わったときに、総額1億ドル(約110億円)の超大型契約を手にする可能性も十分にある。

(Full-Count編集部)

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