F1カナダGP決勝:ベッテル完勝でランキング首位に。ハートレーは1周目でリタイア

 6月10日現地時間午後2時10分、カナダGPの決勝が行なわれた。朝から好天に恵まれ、気温は20度、路面温度は41度というコンディション。 

 フリー走行3回目でパワーユニットトラブルに見舞われ旧型仕様に交換して予選に臨んだピエール・ガスリーは、16番手に終わったこともあってここで主要4コンポーネントを新仕様のパワーユニットに再交換し、次戦に向けてペナルティを消化して最後尾グリッドとなった。

 ただし予選に出走していないロマン・グロージャンが最後尾グリッドからのスタートを義務づけられるため、ガスリーは結果的に予選出走者中の最後尾で19番グリッドとなった。

 上位ではフェラーリ勢とメルセデスAMG勢だけがウルトラソフト、11番手以下ではハイパーソフトのトロロッソ勢とスーパーソフトのシロトキン以外の7台がウルトラソフトでスタートに臨む。

 ターン1〜2では各車が無難に通り抜けていったが、ターン5でランス・ストロールとサイドバイサイドで走っていたブレンドン・ハートレーが押し出されるようなかたちでアウト側のウォールにクラッシュ、2台ともにここでリタイアとなった。

 これでいきなりセーフティカー導入となり、パンクを喫したストフェル・バンドーンとマーカス・エリクソンはピットインしてスーパーソフトに交換し最後まで走り切る作戦。

 順位は首位セバスチャン・ベッテル、2番手バルテリ・ボッタス、3番手マックス・フェルスタッペン、4番手ルイス・ハミルトン、5番手ダニエル・リカルド、6番手キミ・ライコネン、7番手エステバン・オコン、8番手ニコ・ヒュルケンベルグ、9番手カルロス・サインツJr.、10番手セルジオ・ペレス。事故の隙間を縫ってシャルル・ルクレールが11番手に浮上してきた。

 レースは5周目に再開され、ターン1でサインツと接触したペレスがコースオフしガスリーの前13番手に戻るも、ガスリーがこれをパスして13番手に上がった。ガスリーはさらにケビン・マグヌッセンも抜いて12番手に上がる。その前方では10番手ルクレールが11番手のフェルナンド・アロンソを抑えている。

 9周目のペレスを皮切りに11周目にオコン、13周目にヒュルケンベルグ、14周目にサインツと中団勢がピットインを始めると、上位勢も16周目にフェルスタッペンとハミルトンがピットインして7番手まで上がってきたルクレールの前で戻る。

 アロンソがアンダーカットを狙い18周目にピットインするとルクレールは翌周ピットインするがアロンソに逆転を許してしまう。ハイパーソフトのガスリーは23周目まで引っ張ってピットイン。アロンソとルクレールの後ろでコースに戻り13番手となる。

 ここからは各車が一進一退の膠着状態となり、ライコネンが32周目にピットインしてハミルトンの後ろ6番手へ。そして2番手ボッタスが36周目にピットインすると首位ベッテルも37周目にピットインして6秒差を保ったまま首位をキープした。

 アロンソは42周目にターボを失ってスローダウンしリタイア。これでルクレールとガスリーの争いは実質10番手争いとなる。スタートから引っ張ったグロージャンは48周目にピットイン。これでルクレール10番手、ガスリー11番手となった。

 上位は首位ベッテル、2番手ボッタス、3番手フェルスタッペン、4番手リカルドがそれぞれ6~7秒差で走行、50周目を過ぎるとメルセデスAMG勢はペースを上げ、ボッタスは首位ベッテルに3秒差、5番手ハミルトンは1秒の差でリカルドに追い付いて行く。

 しかし、55周目のターン2でボッタスはワイドになって縁石に乗り上げてしまい、逆にプッシュしてファステストを叩き出したベッテルとの差が7秒に開いてしまう。ボッタスは燃費セーブが必要になりベッテル追撃は諦め、後ろのフェルスタッペンを見ての走りに専念する。

 これに対してフェルスタッペンは65周目にファステストを記録するなど一気にボッタスとの差を縮めていく。ハミルトンもリカルドの背後でチャンスを狙うがなかなかオーバーテイクのチャンスは巡ってこない。

2018年F1第7戦カナダGP セバスチャン・ベッテルが優勝を飾る

 結局ポジションの入れ替わりは起きないまま70周が終わり、ベッテルが後続を7秒引き離して快勝。ボッタスは2位、3位フェルスタッペン、4位リカルド、5位ハミルトン、6位ライコネンという結果になった。中団では7位ヒュルケンベルグ、8位サインツ、9位オコン、10位ルクレールで、ガスリーは最後にグロージャンの猛攻を凌ぎきって11位でフィニッシュした。

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