南島原市長に松本さん再選 組織力で支持拡大 「住み続けたいまち推進」

 「よーし」「やったぞ」。10日投開票された南島原市長選。現職の松本政博さん(70)が新人で前県議、松島完さん(38)を下し、再選を決めると、加津佐町の選挙事務所に詰め掛けた支持者らは喜びを爆発させた。
 産業振興による雇用拡大などを公約に、「地域振興には安定的な政治運営が必要」と「継続」を訴えた松本さん。4年前の初当選以降、地盤の加津佐町以外にも地道に拡大してきた後援会組織をフル回転し、団体・個人から得た推薦も前回選挙戦の3倍以上の計約380に上った。
 だが、古里の活力が停滞する中、現職に対する有権者の風当たり、批判は少なくなかった。選挙戦で会員制交流サイト(SNS)も活用した相手候補の若さへの期待感が有権者の間にどれだけあるのか、陣営も「えたいの知れないものと戦っているようだ」(幹部)と手応えをつかみきれず、決して楽な戦いではなかった。
 一騎打ちを制し、割れんばかりの拍手と歓声に包まれた選挙事務所。「市民皆さん一人一人の思いを政治に生かし、『住み続けたいまちづくり』をさらに進める」。満面の笑みで支持者らと万歳三唱した松本さんは表情を引き締め、1期目にまいた種の開花をあらためて誓った。

再選が確実となり支持者から握手で祝福を受ける松本さん(左から2人目)=10日午後8時38分、南島原市加津佐町の選挙事務所

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