愛川町長選・公開討論会 「継続」、都内アクセス改善を

 任期満了に伴う愛川町長選(12日告示、17日投開票)を前に、立候補予定者2人による公開討論会が10日、町文化会館で開かれた。厚木青年会議所の主催で、約220人の来場者が見守る中、町の課題や将来ビジョンなどについて論戦が交わされた。

 登壇したのは、ともに無所属での立候補を予定している、現職で2期目を目指す小野澤豊氏(65)と、新人で会社員の小島淳氏(37)=出馬表明順。

 出馬の理由について、小野澤氏は「行政運営は混乱すると戻すのは容易でない。継続を力にし、町の一層の発展のために町政を担っていきたいと決意した」と述べた。小島氏は「大学卒業まで町で暮らしたが、都内へのアクセスが悪いという、数十年変わっていない課題がある。これを解消したい」と説明した。

 「横須賀水道・半原水源地」跡地(同町半原)の利活用を巡っては、小島氏が「施設が建っても観光業は成り立たない。税金を使った補てん(をしていく将来)しかない。町の歴史をもっと研究した上で、何を建てるか議論が始まる」とし、小野澤氏は「雇用や文化継承なども考えてきた。温浴施設や伝統技術体験施設などを計画するが、最初から無駄と考えたら何も進まない。後年の負担にならないよう進める」と述べた。

 施策については、小野澤氏が、半原水源地の利活用、温かい中学校給食の提供、路線バスの定時制・速達性の確保を掲げ、「急行バスの本数も増やしたい。町民の健康づくりや子育て支援も充実させたい」と強調。小島氏は、行政主導の街並みづくりや子育て支援策への予算拡充を挙げたほか、「都内へのアクセスを良くするため、自分は未来担当として取り組み、副町長には現実課題に対応してもらいたい」と語った。

 互いに質問し合うコーナーでは、小野澤氏が東京都八王子市在住の小島氏に「町長になったら町に住むか」と質問。小島氏は「子どものコミュニティーが既に八王子にできていて、子育てを終えたら引っ越したい」と理解を求めた。

 一方、小島氏は「民間なら定年の年。後継者は考えなかったのか」と問い、小野澤氏は「今は人生100歳。全く健康であるので(今後)いい時期に後継者の関係も考えていきたい」と答えた。

愛川町長選に立候補を予定する小野澤氏(右)と小島氏の2人が出席した公開討論会=10日午後、同町角田の町文化会館

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