100歳時代考えるシンポ 「創年」キーワードに

 元気で前向きなシニア層を指す「創年」をキーワードに、超高齢社会での生き方や地域の在り方について考える全国生涯学習まちづくり研究会神奈川大会「Go Forward 創年時代~100歳時代をどう生きる~」が10日、神奈川歯科大学大講堂(横須賀市稲岡町)で開かれた。

 NPO法人「全国生涯学習まちづくり協会」(大田順子理事長)が主催し、市が共催した。生涯学習を通した地域づくりを考える全国大会として開催され、約650人が参加した。

 解剖学者の養老孟司氏が基調講演し、午後からの六つの分科会ではシニア層の地域活動や健康づくりなどの先進的な事例が報告された。

 シンポジウムでは、全国生涯学習まちづくり協会の福留強会長を司会に、医師や行政トップら4人が「輝く創年時代」の実現をテーマに討論した。

 千葉県松戸市で医療介護グループを統括する島村善行医師は「少子高齢化で1番良いのは、働ける高齢者がいろいろやること。役に立ちたいという気持ちが満たされ、健康長寿となっていくような社会をつくりたい」と意欲を示した。

 千葉県酒々井(しすい)町の小坂泰久町長は「高齢者が活躍できる場を用意することが行政の務め。空き店舗を活用した町内のたまり場では、高齢者が自分で作ったものを販売している。ちょっとした収入が心の張りにもなる」と報告した。

 横須賀市の上地克明市長は「昔、横須賀には多くの旦那衆がボランティア活動に熱心に取り組んでいた。学校を中心に老若男女が集い、助け合う時代が来てほしい。創年の人がかつての旦那衆のように輝く社会を横須賀でつくりたい」と力を込めた。

 文部科学省の二宮伸司社会教育調査官は「楽しみながら社会を変えるという当事者意識を一人一人が持ち、やる気ある人たちの役割を行政が創出するという循環が輝く創年時代の実現に欠かせない」と強調した。

輝く創年時代をテーマに意見を交わしたシンポジウム =横須賀市稲岡町の神奈川歯科大学大講堂

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