米軍機訓練中の深夜飛行 綾瀬市「今後可能性低い」

 米空母への着艦資格取得訓練(CQ)の実施期間における厚木基地(神奈川県大和、綾瀬市)周辺での空母艦載機の深夜飛行について、綾瀬市は12日、「(今後行う可能性は)低くなる」との認識を示した。同日の市議会基地対策特別委員会で明らかにした。

 特別委では市の担当者が、厚木基地の整理縮小、返還などを求める国への要望書案について説明。3月末に岩国基地(山口県)への艦載機約60機の移駐が完了したことを踏まえ、複数の記述を見直す中で、午後10時以降に飛行は行わないよう求める記述の削除理由を議員に問われた。

 CQを巡っては4月、実施海域がこれまでの房総沖から九州沖に移ることが明らかになった。CQは陸上空母離着陸訓練(FCLP)実施後、10日以内に始める必要がある。

 厚木基地周辺では昨年、FCLPの通告期間後の5月20~23日未明まで深夜飛行が確認され、市内で同22日には午後10時から約2時間半にわたり、滑走路南約1・8キロ地点で航空機騒音(70デシベル以上、5秒以上継続)を22回計測していた。

 今年はCQ実施期間(5月30日~6月3日)の午後10時以降、同地点で航空機騒音は測定されなかった。市は認識の理由として、実施海域変更の可能性に触れるとともに、「今後の基地の運用を注視していく」とした。要望書は原案通り決定され、市と市議会は7月17日に提出する予定。

FCLPで離着陸を繰り返すジェット機 =2017年9月5日、厚木基地

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