施設使用不許可で三浦市と訴訟 業者退去で和解へ 三崎水産物地方卸売市場内の食堂

 三浦市三崎水産物地方卸売市場(同市三崎)内の一角で食堂を営む業者が使用料などを長年滞納し、施設使用を不許可にした市を相手に、取り消しなどを求めて行政訴訟を起こしていたことが14日までに分かった。両者は横浜地裁が示した、7月末で業者が退去するなどの内容の和解案を受け入れ、市は開会中の市議会第2回定例会に関連議案を提出。14日の本会議で、全会一致で可決された。

 市によると、和解の相手は「ペニンシュラ」(同市三崎町六合)。同社は2011月3月から市場2階フロアの一角を使い、食堂をオープンさせた。市場関係者向けに早朝から営業することを理由に減額された月額の使用料(約22万円)などを当初から滞納した。

 滞納の累積額(非公表)が多額になり、市は14年3月に減額措置を停止。同社は16年3月、当時の滞納額約1200万円を5年かけて分納する旨の誓約書を提出したが、昨年9月から分納が3カ月途絶えたため、市はことし3月、施設の使用を不許可にした。これに対し、同社は3月31日付で、処分の取り消しと4月以降の使用の仮処分を求め、地裁に提訴したという。

 地裁が提示した和解条項案には、▽同社は7月31日に原状を回復して明け渡す▽滞納金残額の支払いは和解成立後に協議する-など10項目が盛り込まれた。

 13日の市議会総務経済常任委員会で、市は「退去を優先させた」と説明。「三崎のにぎわいの一つになっている市場の食堂を維持したい」とし、退去後に事業者を募集するとした。

三浦市三崎水産物地方卸売市場2階で営業する食堂=同市三崎

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