NHK杯長崎県高校野球 海星 長崎商 10日決勝

 第66回NHK杯県高校野球大会第4日は9日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで準決勝2試合が行われ、海星と長崎商が決勝に進んだ。
 海星は長崎総合科学大付を13-3の六回コールドで退けた。初回、松尾悠の四球と二盗を足掛かりに、坂本、太田、方尺、宮本の長短適時打などで一挙7点先行。その後も四球や敵失などに乗じて得た好機を着実に得点につなげた。
 長崎商は波佐見に3-2で逆転勝ち。0-1の五回1死満塁から、中野のバント安打で追いつくと、七回に連続四死球で好機をつくり、谷口の右中間2点三塁打で勝ち越した。投げては2年の桝屋が6安打2四球、自責点1で完投した。
 最終日は10日午後1時5分から、ビッグNで決勝を実施する。

◎2試合連続1点差勝利/谷口決勝2点三塁打
 準々決勝から2試合連続1点差ゲームを制した長崎商。西口監督は「夏の試合でも必ず出てくる場面がたくさんあった。粘れたのは評価できるが、修正も必要」と本番のトーナメントを勝ち抜くための手応えと課題の両方を口にした。
 失策からの先制点献上、好機での凡退と序盤の展開は良くなかった。それでも、五回に中野が「慌てず練習通り」と難しい外の変化球に飛びつくスクイズで同点。その後はバウンドを合わせづらい打球や送球を相次いで好捕するなど、全員で懸命に守った。この伝統の手堅い攻守で流れを変えると、七回に谷口が右中間へ決勝三塁打。中軸がここ一番で勝負強さを見せた。
 現3年生が1年生だった夏に甲子園に出場。今季の目標は「あの舞台で勝って校歌を歌う」だ。主将の山田は「すべては夏。決勝も結果を怖がらず、積極的に自分たちのプレーを貫きたい。それが次につながる」と言葉に力を込めた。

【準決勝、波佐見-長崎商】7回裏長崎商1死一、二塁、谷口が右中間を破る勝ち越しの2点三塁打を放つ=県営ビッグNスタジアム

◎打線好調2試合32安打/3年生が存在感発揮
 海星が長崎日大との準々決勝に続くコールド勝ち。2試合計32安打と好調な打線について、加藤監督は「しっかりと緩いボールを狙えた。うまくつながった」とうなずいた。
 スタメンに多く名を連ねる2年生が活躍を続ける中、この日は3年生が存在感を示した。初回に下級生の連打で先制すると、負けじと続く好機に方尺が中前へ2点適時打。三回には先頭永尾が左中間三塁打で追加点の口火を切り、四、六回は田中が「点差があっても油断せず集中していた」と2打席連続で適時打を放ち、勝負を決定づけた。
 春の県大会3回戦でコールド負けした悔しさ、上級生の意地を力に、本番の夏へ徐々にギアを上げてきたチーム。守備でも後輩たちを引っ張る田中は「3年生だからこそできる声掛けでチームを引き締め、今の結果に慢心せず、夏に向けて勝ちを重ねていきたい」と、まずは3年ぶりの前哨戦Vを見据えた。

【準決勝、海星―長崎総合科学大付】6回表海星1死二、三塁、田中が左中間2点二塁打を放つ=県営ビッグNスタジアム

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