過労死、弁護士が電話相談 16日に全国一斉

 過労死について弁護士らが電話相談に応じる「過労死110番」が16日、神奈川など全国一斉に行われる。過重労働やパワハラ、家族が死亡した場合の補償など、幅広く対応する。

 1988年から毎年行われており、これまで全国で1万1千件を超える相談を受け付けてきた。神奈川では昨年、18件の相談があったという。

 神奈川過労死対策弁護団によると、過重労働を原因とする県内の労災申請件数と認定件数は、いずれも全国の約1割を占めているのが現状。2014年には、長時間労働を終え、帰宅途中だった東京都の会社員の男性=当時(24)=が死亡する事故が発生し、今年2月、会社側が安全配慮義務違反を認め、約7600万円を支払うことなどで遺族と和解した。

 男性の母は自身の体験を振り返り「家族を含めて止めることができなかった。自分のためだけでなく、日本から過労死をなくすため、若者からのお電話があることを祈っている」と強調。同弁護団の永田亮弁護士は「本人や家族がアクセスしやすい環境づくりが重要。気軽にご連絡いただきたい」と呼び掛けている。

 相談は午前10時~午後3時。フリーダイヤル電話(0120)665675。

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