楽天が2度の満塁機を生かせず今季40敗目 梨田監督「打線が援護しないとね」

楽天・梨田監督【写真:荒川祐史】

阪神・藤浪に407日ぶりの白星を献上

■阪神 4-0 楽天(15日・楽天生命パーク)

 楽天は15日、本拠地での阪神戦に0-4で敗れ、12球団最速で今季40敗目を喫した。

 先発・辛島航投手は5回まで1安打と好投を見せていたが、6回に四球と犠打で1死二塁とすると、阪神の3番・中谷将大に3号2ランを浴びた。さらに、続く4番・糸井嘉男に四球を与え、「打たれた後に四球を出し、代えざるを得なかった」と梨田昌孝監督。2番手・久保裕也は1死一、二塁で2つの三振を奪ってピンチを脱したが、7回に追加点を許した。8回から登板した 4番手・今野龍太も9回に1点を失った。

 打線も援護できなかった。阪神の先発・藤浪晋太郎の前に、2回までに4三振。3回に1死から9番・嶋基宏、1番・田中和基の連打と四球で満塁とし、1軍復帰してから3試合連続でヒットを放っていた3番・島内宏明に打席が回ったが、三ゴロ併殺に打ち取られた。梨田監督は「島内に期待をしていましたが、ホームゲッツーでね。流れを持ってこられなかったですね」と肩を落とした。

 7回の満塁機もホームが遠かった。1死から5番・アマダーの四球、6番・茂木栄五郎の中安で好機を作ったが、代打・藤田一也に阪神は2番手・岩崎優を投入。藤田は中飛でアマダーの代走・山崎剛が三塁に進み、2死一、三塁とした。楽天は、今度は聖澤諒に代わって今江年晶を打席に送ると、阪神は桑原謙太朗に交代。今江は四球を選んで満塁としたが、嶋は中飛に打ち取られた。

 阪神・藤浪に407日ぶりの白星を献上し、「(藤浪は)四球もあったけど、ストライク先行という形で、ボール球を振らされる三振も結構あった。それを意識して、ストレートを見送ったりしていた」と指揮官。満塁を作った3回と7回以外は二塁も踏めずに終わった。

攻守で存在感見せた田中「思い切ってやらないと」

 12球団最速で今季40敗目を喫したチームに追い打ちをかける事態も起きた。2回の攻撃で2死から四球で出塁したウィーラーが二盗を試みた際に左手を負傷し、途中交代した。病院での診断結果は左第2指中節骨基部剥離骨折。競技復帰まで8週間かかる見通しだ。助っ人の離脱というチームの窮地を迎えたが、「1番・中堅」で出場した田中が存在感を示した。

 2回の守備では、1死二塁から6番・俊介の左中間への当たりに飛びついてキャッチ。続く大山悠輔の左中間への当たりも快足を飛ばし、フェンス手前で捕った。試合前からの霧雨で視界が悪く「やりにくかった」と言いながらも、「そういう時でも思い切ってやらないといけない」と果敢に攻めた。打っても、3回には左打席に立ち、藤浪から右安。8回には右打席に立って、能見から左安と両打でマルチ安打をマークした。

 16日はエース・則本昂大投手が先発する。ここ3試合は1点差で敗れて自身3連敗中だが、「状態が良かったり、良くなかったりする中である程度は試合を作れている。でも、やっぱり勝たないと意味がない。勝てるようにやりたい」ときっぱり。梨田監督は「なんとか打線が援護しないとね。1、2点では勝てないと思うので、3点以上は取ってほしい」と打線の奮起を促した。

(Full-Count編集部=AP)

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