元F1レーサーが宇宙に思い 「はやぶさの日」企画で対談

 小惑星探査機「はやぶさ」の元プロジェクトマネジャー川口淳一郎さん(62)と元F1レーサー片山右京さん(55)が16日、宇宙をテーマに、相模原市立博物館(同市中央区)で対談した。地球に帰還した日を記念して制定された「はやぶさの日」(6月13日)に合わせた市の企画で、参加した約200人は2人の話に聞き入り、宇宙に思いをはせた。

 打ち上げ計画から携わった川口さんは「新しい世界をつくる気持ちで計画を立てた。何物にも代えられない、楽しいことだった」と回顧。打ち上げ後、毎日のようにエンジンに不具合が起き、一時通信も途絶えるなど、はやぶさは多くの困難に見舞われたが、2010年6月に岩石の微粒子を地球に持ち帰った。川口さんは「高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えない」というモットーを紹介し、「どうすれば改善されるのか、チームで議論したことが実を結んだ」と話した。

 市の終身名誉観光親善大使の片山さんはF1レーサーとしての自らの経験も振り返りながら、「どんなことに取り組むにしても、(川口さんのように)諦めない情熱と努力が大切」と訴えた。

 対談のほか、小惑星りゅうぐうを目指す、はやぶさの後継機「はやぶさ2」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究員・細田聡史さん(44)が解説した。 

小惑星探査機「はやぶさ」などについて語る川口さん(左)と片山さん=相模原市立博物館

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