「認知症カフェ」で思い共有 横須賀、当事者や家族ら50人参加

 認知症の人や家族らが集い、病気の症状などへの理解を深める「認知症カフェ」が17日、横須賀市若松町の「タリーズコーヒー横須賀中央店」で開かれた。当事者ら約50人が参加し、専門家の講演に耳を傾けたほか、相談や悩みを打ち明けた。中島内科クリニック(同市米が浜通)と同店の共催。

 訪問診療を中心に在宅療養を支援する診療所「湘南いなほクリニック」(平塚市)の内門大丈院長が、「認知症を楽しく学ぼう」をテーマに講演。認知症になっても適切なサポートがあればできることも多く、社会生活を送れるとした上で、「周囲に話した方が介護者の負担が軽くなる」と呼び掛けた。

 続いて、医師や看護師らがテーブルを回り、参加者から相談や悩みを聞いた。

 5年前に認知症と診断された横須賀市の男性(69)は「『これくらい簡単にできるだろう』と思ったことが、いざやるとできない。『俺の人格を返してくれ』という気持ちだ」と心境を吐露。男性の妻(65)は「近所ではオープンにしていないので、他の参加者と思いを共有できて心が楽になった」と話した。

 中島内科クリニックの中島茂院長は「当事者や家族が気軽に集える場所が、横須賀市内にもっとたくさんできれば」と語った。

「認知症を楽しく学ぼう」をテーマに講演した内門医師 =横須賀市若松町

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