ハミルトン、リバティがF1にもたらした変化を評価するも「いまだに石器時代のよう」と動きの遅さに不満

 F1はモーターレーシングの技術という面では最高峰かもしれないが、現チャンピオンのルイス・ハミルトンによると、他の部分は石器時代のままであるという。

 物事を決定していく過程において、FIAや商業圏保有者らはドライバーらに意見を言うチャンスを与えておらず、ハミルトンはこの数週間いら立ちを覚えている。彼は特に、2019年のカレンダー入りが計画されているマイアミGPのコースレイアウト案に関して不満を表明した。

 この件について助言を求められることを期待していたかと聞かれたハミルトンは、「いや。これまでもそんなことはなかったから、今後も期待はしていない」と答えている。

 しかしマイアミGPの件は、自分の知る限り氷山の一角でしかないとハミルトンは主張する。

「NFLやサッカーなどのような規模の大きな他のスポーツと比べると、F1は石器時代にいるようなものだ。追いつこうとはしているが、長い時間がかかる」

 バーニー・エクレストンの何十年にもわたる時代が終わり、F1の新オーナーとなったリバティ・メディアと責任者のチェイス・キャリーが、F1を近代化させようと最善を尽くしていることはハミルトンも認識している。

「チェイスの抱えるチームは変化をもたらしたいと思っているし、僕は彼を信じている。チェイスにとっては大きな仕事だ。彼はほんの数年前にF1にやってきたんだ。それまではソーシャルメディアが入り込むことは許されていなかった。バーニーはそうしたことは、重要ではないと言っていたんだ」とハミルトン。

 ハミルトンはソーシャルメディアの熱心な支持者であり、F1が世間の動きに追いつき、アピールの機会を得たことを喜んでいる。

「ソーシャルメディアのような大きなものは、力のある巨大なプラットフォームになり得る。今ではそういったものが、望めば利用できるようになった」

 リバティは利益の得やすい地域の放送局との契約だけに頼るのではなく、オンラインでレースのデジタル映像を世界中に配信するサービスも開始した。しかしハミルトンは、これはF1の魅力を広く伝えるために必要な取り組みの第一歩でしかなく、進展にスピード感が足りないとして、いら立ちを顕にした。

「F1を世界中で放送するという話なのに、進み方が遅すぎるんだ。アメリカで多くのレースを開催指定というのは良いことだ。僕も期待している。けれどもレースそのものも、もっとエキサイティングである必要がある」

「彼らは正しいステップを踏んでいるとは思うけれど、もっとやるべきことがある」

© 株式会社三栄