差別落書き中原区でまた2件 被害計50件に

【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市内の公園のベンチなどに在日コリアンを差別する落書きが大量に行われている問題で、同市は18日、新たに中原区で差別落書きが2件見つかったと発表した。被害は4区29カ所で計50件に達した。

 同区によると、17日に市民から通報があり、18日に職員が二ケ領用水沿いのベンチ2基に「朝鮮人こそレイシスト」「朝鮮人こそ反日ヘイト」などと書かれているのを確認した。

 6日に高津区で発見されたのを受けて8日に区内を調査した際は確認されなかったという。同一の文言で筆跡も似ていることから、担当者は「同じ人物が8日以降に書いた可能性が高い」としている。

 同区は人目に触れないようテープを貼り、人権侵犯事案として横浜地方法務局川崎支局に連絡した。器物損壊容疑で中原署に被害届けを出す手続きを進めている。

 大量の差別落書きについて福田紀彦市長は14日、「大変強い憤りを感じている。撲滅に向けパトロールを強化し、警察とも連携しながら取り組む」との非難声明を出している。

差別落書きに目張りのテープが貼られたベンチ=18日、川崎市中原区(市提供)

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