研究用の電線試作、JECTECが内製化

 電線総合技術センター(JECTEC)は7月をめどに、自主研究に用いる電線の試作を自前で始める。現在研修などに使用している汎用の押出設備を活用。これまで外部の電線メーカーに依頼していた試作を内製化する。最適なタイミングと量で電線を確保できる体制となるため、迅速な研究開発が可能となる。今後は屈曲試験のデータベース構築に向けた調査研究などに自前の試作電線を活用する予定。

 押出機は電気絶縁のための樹脂をコーティングするための設備。電線を製造している。同センターでは、電線メーカーから遊休設備を安価に購入。現在までに外部から調達した銅導体を使用し、施設内で安定した電線製造ができるようになっている。研究に自前の電線を用いることで、研究の迅速化に加えて中立性もさらに高まる。現在、同センターの押出設備は技術研修のほかに、押出機を持たない会員会社の試作支援にも活用している。

© 株式会社鉄鋼新聞社