W杯、海外も習い始めた日本サポーターのごみ拾い 原点は「学校での教育」

By 太田清

コロンビアに勝利し、大喜びの日本サポーター=サランスク(共同)

 英国のBBC放送(電子版)は21日までに、19日に行われたサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会日本―コロンビア戦終了後に、日本のサポーターがスタジアムを掃除して帰ったことを特集記事で取り上げ、子どもの時から学校で掃除をするように教え込まれてきたことが原点にあるとの識者の話を伝えた。 

 今大会では、24日に日本チームと戦うセネガルのサポーターも同様に清掃活動を始めており、米CNNテレビなどが大きく報じたが、最初に始めたのは日本のファン。今では日本人による試合後の清掃は世界で有名になっているという。

 記事はコロンビアを2対1で破り、「日本のファンは歓喜する理由があったが、試合後はごみ袋を手に座席の間を歩いてごみを拾い集め、スタジアムを最初に来た時と同じぐらいきれいにして帰った」として、飲食物などのごみ拾いは初めてのことでなく、これまでもこうした良きマナーを続けてきたと指摘。 

 その上で、「清掃はサッカー文化だけでなく日本の文化の一部。日本社会の重要な一面がすべてを必ずきれいにするということで、それはすべてのスポーツイベント、もちろんサッカーについて言えることだ」とのサッカージャーナリスト、スコット・マッキンタイアさんの話を紹介した。   

 大阪大学のスコット・ノース教授(社会学)はBBCに対し、「試合後の掃除は日本人の基本的な行為の延長線上にあるもので、それは教室や廊下をきれいにするといった、学校で教えられてきたことなのだ。子ども時代にいつもこうした教えを思い起こさせる機会があったことで、清掃行為は大部分の国民にとって習慣となった」と語った。 

 日本のサポーターは前回ブラジル大会でも、清掃活動を実施。ブラジルメディアなどが大きく取り上げ、称賛を受けた。 (共同通信=太田清)

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