長崎県 外国人就労拡大を要望 林業、水産業で内閣府に

 県は20日、外国人の林業、水産業への就労を国家戦略特区で解禁する仕組みを内閣府に提案していることを明らかにした。人口減少が進む中、担い手不足解消に向け、県全域を同特区に指定してもらい、外国人の雇用拡大を図る考え。
 定例県議会一般質問で、近藤智昭議員(自民)に、柿本敏晶企画振興部長が答えた。
 県政策企画課などによると昨年末に提案後、有識者でつくる国家戦略特区のワーキンググループから今年1、4月と2回にわたりヒアリングを受けており、県は「意欲は一定評価されている」とみている。2016年に内閣府に提案した外国人の就農と合わせ、「外国人とともに成長する長崎県」を目指す。
 林業、水産業に外国人が就労できる例は技能実習生などに限られる。県は一定の農林水産業経験を持つ外国人を念頭に就労させたい考え。外国人の就農は同特区に指定された沖縄県など4都市で解禁されている。
 同課によると、林業は人工林の多くが伐採期を迎え、県内で林業に専門で携わる作業員の必要数は15年度の350人から、25年度は400人に増加する見込み。水産業は担い手減少が深刻。県内の漁業就業者数は13年の約1万4千人から23年は約9千人に減るとみられ、外国人の活躍も期待したいという。
 国家戦略特区には東京圏、関西圏、広島県・愛媛県今治市など10区域が指定されている。梶山弘志地方創生担当相は14日の国家戦略特区諮問会議で、追加指定を検討する意向を示している。

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