三菱マテと三菱ガス化学、岩手県の地熱発電プロに電源開発が参画

 三菱マテリアル(MMC)と三菱ガス化学(MGC)は20日、岩手県八幡平市安比地域における地熱発電プロジェクトに電源開発(J―POWER)が新たに参画し、3社体制で事業化を推進することを決定するとともに、工事工程の一部を変更することで合意したと発表した。建設工事開始は予定していた2018年から19年以降に変更し、運転開始は24年春ごろとなる見込み。

 J―POWER参画後の出資比率は、MMC51%(変更前60%)、MGC34%(同40%)、J―POWER15%となる。MMC、MGC、J―POWERの3社による共同事業は、現在建設中の山葵沢地熱発電所計画(秋田県湯沢市)に続き2地点目となる。安比地熱では出力1万4900キロワットの地熱発電所を建設する計画。

 MMCは、03年度に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による安比地域の地熱開発促進調査結果を受け、MGCとともに04年度以降、地熱発電の事業化検討を実施してきた。MMCおよびMGCは、長期噴気試験や資源量評価により、出力15メガワット級の地熱資源量の存在が確認されたことと、温泉資源への影響や環境規制などのリスクが低いことから事業化が可能と判断し、15年に安比地熱を共同設立。15年に環境影響評価手続きを開始し、18年1月に環境影響評価書の確定通知を受領し、3月に評価書の縦覧を終了していた。

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