大和合金、航空機向け18年販売量7割増目指す 銅合金の鍛造・押出品、内外で需要旺盛

 銅合金の鋳造・鍛造品メーカーである大和合金(本社・東京都板橋区、社長・萩野源次郎氏)は2018年の航空機向け材料の販売数量を、前年比で7割拡大させる。同社では航空機向けを注力分野に位置付け、ブッシュと呼ばれる円筒形の鍛造・押出品を部品メーカーや整備会社などに販売。今年はメインの欧州市場が堅調な中で米州や中国、日本国内にある既存顧客への供給も拡大。販売が大幅に増える見通しとなっている。グローバルな受注増に対応して、溶解鋳造炉の増強や押出工場の生産性向上でなど供給能力を増強している。

 同社では航空機の足回りに使う軸受け用にアルミ青銅や高力黄銅製のブッシュを販売。欧州では航空機の製造が増えており、現在需要が旺盛。さらに品質力や納期対応力が認められ世界大手の部品メーカーからの認定が拡大しており、今後はさらに欧州での販売増が見込まれる状況となっている。

 米州の部品メーカー向けにはこれまで補修に使用するブッシュを販売してきたが、新造機向けの供給も開始。さらに日本国内向けでは旺盛な海外の航空機需要を受けて顧客の輸出が拡大している。中国向けについては補修用の部品で引き合いが増加しており販売増を見込んでいる。

 世界的な受注増に対応するため製造会社の三芳合金工業では本社工場(埼玉県三芳町)で溶解鋳造炉を1基更新したほか、熱処理工程を増強。さらに押出工程を有する朝霞工場(埼玉県新座市)では製造キャパを広げるため、外部のコンサルタントと連携した改善活動や設備面でのてこ入れを進めていく。

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